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思春期の女子選手の過度な減量に警鐘
アスリート支援委主催、無月経考えるシンポ―東京

 日本産科婦人科学会や日本スポーツ協会などで5団体でつくる「女性アスリート健康支援委員会」が主催するシンポジウム「思春期の運動性無月経を考える~正しい知識で未来を創る~」(時事通信社共催)が22日、東京都内で開かれた。学校の養護教諭やスポーツ指導者、医師ら約300人が集まり、無月経をはじめとする女子選手の健康問題の現状や、健康を損ねた選手を産婦人科医につなぐ連携の在り方などについて話し合った。

 あいさつする女性アスリート健康支援委員会の川原貴会長=12月22日、東京都文京区の東大医学部教育研究棟「鉄門記念講堂」
 スポーツの激しいトレーニングや行き過ぎた減量は体の利用可能エネルギー不足を招き、女子選手の場合は無月経の原因になる。成長期の十代の選手に無月経が長期間続くと、骨密度の低下にもつながり、疲労骨折リスクも高まる。無月経はいわば体のSOSサインで、放置しないことが生涯の健康を守るためにも大切だ。

 主催者を代表してあいさつした同委員会の川原貴会長は「トップレベルの女性アスリートの健康問題については、国立スポーツ科学センターで対応できるようになっているが、国内レベルの競技者や中高運動部レベルの問題には支援が行き届いていない」と説明。同委が行った講習を受けた産婦人科医を同委のホームページに載せていることを紹介し、問題を抱える選手の受診につなげるよう訴えた。

 ◇「軽量化戦略が根本的な問題」

 続いて、女子マラソンの高橋尚子さんを大学時代に指導した山内武・大阪学院大教授が「オリンピックメダリストの指導者が語る軽量化戦略の影」と題した特別講演を行った。山内氏は、高校陸上の駅伝選手らに関して、徹底した食事管理で減量を行い、体脂肪も減らして目先の競技力向上につなげようとする戦略が、運動性無月経の温床になっている現状を批判。日本陸連が貧血用の鉄剤注射の原則禁止を決めた問題にも触れながら、「軽量化戦略という根本問題への対応が必要」と指摘した。
 

 

 シンポジウムの総合討論。左からヨーコ・ゼッターランド、百枝幹雄、小清水孝子、西園マーハ文の各氏=12月22日、東京都文京区の東大医学部教育研究棟「鉄門記念講堂」
 引き続き日本スポーツ協会のヨーコ・ゼッターランド常務理事を座長に、産婦人科医の立場から百枝幹雄・聖路加国際病院副院長が、栄養学の立場から公認スポーツ栄養士でもある小清水孝子大妻女子大教授が、精神科の立場から西園マーハ文・白梅学園大教授が最新の知見を紹介し、最後に総合討論を行った。

 無月経に苦しむ選手は、摂食障害を伴うケースも多い。西園マーハ教授は、摂食障害の実例を紹介しながら、「早期の受診のためには、周囲の人々の協力が必要」と呼び掛けた。(水口郁雄)

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