治療・予防

治療が進歩、根治も可能に
特発性血小板減少性紫斑病

 血小板の数が減って、血が止まりにくくなる原因不明の難病「特発性血小板減少性紫斑病(ITP)」。国内の患者数は子どもから中高年まで約2万人と推定される。埼玉医科大学病院(埼玉県毛呂山町)総合診療内科の宮川義隆教授は「小児では8割が半年以内に症状が軽快するのに対し、成人では9割が慢性化します」と説明する。

特発性血小板減少性紫斑病の主な症状

 ▽妊娠や出産も可能に

 この病気になると、普通は血液1マイクロリットル当たり15万~40万ある血小板が、10万以下に減少する。毎年約3000人が発症、女性に多いのが特徴だ。手足にあざができる、鼻血が止まりにくい、月経量が増えるなどの症状が表れ、この病気が見つかることが多い。

 「治療する上で血小板数を3万以上に維持することを目指します。3万以上を維持し出血症状がなければ特別な治療は必要なく、日常生活や運動を制限する必要もありません」と宮川教授。

 ITP患者が妊娠を制限されていた時代もあった。しかし、宮川教授は「現在は血小板数が3万程度なら妊娠は可能で、5万以上に管理できれば自然分娩(ぶんべん)もできます」と話す。

 ▽広がる選択肢

 治療方法も進歩している。従来の治療の柱だったステロイド薬の投与は副作用が多く、脾臓(ひぞう)の摘出手術も、手術前に治療効果を予測できないため二の足を踏む人が多かった。

 しかし、最近では、抗菌薬で「ヘリコバクター・ピロリ菌」を除菌する方法や、血小板を増やす効果がある「トロンボポエチン(TPO)受容体作動薬」も登場し、治療成績は向上している。2017年には血小板を攻撃する免疫細胞をなくす注射薬「リツキシマブ」も国内で承認された。

 宮川教授は「リツキシマブはステロイドの次に行う治療法として、脾臓摘出手術、TPO受容体作動薬と並ぶ選択肢にもなり得る。そうなったら手術をせずに根治も目指せることになる」と期待を寄せる。その上で「ITPの治療は血液専門医から受けるのが良いでしょう。治療は進歩しているので、希望を持って臨んでください」と呼び掛けている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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