一流の流儀 「追い込みの女王」AYA クロスフィットトレーナー

(第3回)ストイックに徹して
生徒との距離が大切

   

基本的に午後7時には帰宅する。イレギュラーで夜のテレビ番組の仕事も入ることがあるが、「11時には布団に入りたいと思っているので、そんな時は逆算して、何をそれまでにするかを考えて行動します」。忙しい人ほど時間の使い方が上手ということか。

1日フルに動くため、普段は疲れてすぐ眠りに就くという。どうしても眠れない時は、「自分のツボの香り」だというラベンダーを枕に数滴たらす。その香りを嗅げば、リラックスできて、ストンと眠りに落ちるという。ずいぶんとストイックな生活を続けているなと思うが、ラベンダーの香りの話をするAYAさんからは、女性らしさが漂った。

見るからに鍛え上げた体。もし1週間休んだら、何か変わることがあるのだろうか。あえて聞いてみると、「休んだことがないし、そうしようと考えたこともない。体を動かすことは自分のライフスタイルの一部となっています。やらないと気持ちが悪いし、トレーニングはそこを狙っていることもあります。体よりも自分の心を保てなくなることが心配です」という答えが返ってきた。「指導することで、生徒が成長し、自分との差が縮まります。でも、その距離が縮まってしまうようでは、このトレーナーについていこうとは思われない。生徒と同じラインにいては駄目。常に人の上を歩いている状態でなければなりません。それは意識しています。皆が成長するなら、私も成長しなければ。生徒を育てながら、生徒に育てられている感じでもあります」。親指と人さし指で、その差を示しながら、「トレーナーとしての責任感!」と、キュッと口を結んだ。(ジャーナリスト・横井弘海)

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