一流の流儀 「追い込みの女王」AYA クロスフィットトレーナー

(第7回)私らしい場所を見つけた!(2)
=フィットネスモデル誕生=

 日本でも人気のオーストラリア出身モデルのミランダ・カーや世界で一番稼ぐといわれるスーパーモデルのジゼル・ブンチェンをはじめ、そうそうたるモデルを「エンジェル」と呼ぶ特別広告塔にして、注目を集めている米国の人気ランジェリーブランド「Victoria's secret(ヴィクトリアズ・ シークレット)」。その下着ショーに出演することは、今やファッションモデルの憧れとなっている。ショーのオーディションで合格すると、そのモデルたちは「ヴィクシーモデル」と呼ばれるのだという。
 AYAさんが衝撃を受けたのは、そのヴィクシーモデルたちがカラフルな下着を身にまとい、ランウェイを闊歩(かっぽ)するYouTubeのお薦め動画だった。モデルは皆、筋肉がしっかりついた健康体だ。必要な所に筋肉がしっかりとついており、腹筋は筋が入るほど鍛えられている。彼女たちは競争率の高い厳しいオーディションで選ばれるが、痩せ過ぎると解雇される可能性もあるとかで、とにかく健康的かつ肉感的であることが合格条件のように見える。
 「私らしい場所を見つけた!」と、その動画を見たAYAさんは思ったそうだ。「運動禁止令」が出て、ガリガリなほどのスタイルを求められていたが、海外に目を向けてみると、違う基準があることをその動画で発見した。
「筋肉質で腹筋が割れていて、足も筋張っている。それでいて長い手足というモデルの骨格も持っている。胸もある程度あって、お尻もしっかりしていて、ウエストはくびれ、太ももはガッシリしている。海外ではそれがすごいと言われているけれど、今、そういうスタイルのモデルは日本にはいない。日本はまだ世界に追い付いていないということです」
 「筋肉をなくせ、運動をやめろ」と言われていたのは、日本のマーケットのことだと気付いた。グローバルに目を向けてみたら、すごい人たちがいっぱいいるということが分かったという。そして、その動画を見た後、「自分らしくすればいいんだ」と悟った。

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