こちら診察室 女性医療とは? 婦人科の病気
HPVと子宮頸がん
~予防と検査の重要性~ 【第8回】
◇早期発見なら処置簡易
検診で得られるメリットは、デメリットをはるかに上回ります。前がん病変の段階で発見できれば比較的簡単な処置で完治が可能です。一方、進行した段階で見つかった場合、より侵襲的な治療が必要となり、妊娠・出産にも影響を及ぼす可能性があります。
性体験のある20歳以上の女性は必ず定期的に子宮頸がん検診を受けるようにしましょう。検診は子宮頸がんを早期発見するために欠かせない手段であり、適切な時期に適切な処置を行うことで、がんになる可能性を格段に減らせます。
HPVと子宮頸がんに関する正しい情報を周りの人々と共有し、検診の重要性を広めていくことも大切です。自身の健康は自身で守るという意識を持ち、積極的に予防と早期発見に努め、子宮頸がんによる被害を最小限に抑えましょう。(了)
沢岻美奈子(たくし・みなこ)
琉球大学医学部を卒業後、産婦人科医として25年以上の経歴を持つ。2013年1月、神戸市に女性スタッフだけで乳がん検診を行う沢岻美奈子女性医療クリニックを開院。院長として、乳がんにとどまらず、女性特有の病気の早期発見のための検診を数多く手掛ける。女性のヘルスリテラシー向上に向け、診察室での患者とのやりとりや女性医療の正しい知識をインスタグラムで毎週配信している。
日本産科婦人科学会専門医、女性医学学会認定医、マンモグラフィー読影認定医、乳腺超音波認定医、オーソモレキュラー認定医。漢方茶マイスター。
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(2024/07/31 05:00)
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