馬場啓至 医師 (ばばひろし)

国立病院機構 長崎医療センター

長崎県大村市久原2-1001-1

  • 脳神経外科 てんかんセンター
  • 部長

脳神経外科 外科

専門

てんかんの外科治療

馬場啓至

てんかんの患者は全国で100万人程度と推定されている。このうち投薬にて発作が抑制されるのは50%程度であり、残りの方は投薬を行っても発作が持続すると考えられている。この中には脳外科治療により発作が消失あるいは軽減できる方が多く含まれている。しかし、てんかんに対して外科治療が可能であるということはあまり知られていない。馬場啓至医師はてんかんの外科治療を行える医師であり、特に小児の手術例を多く経験しており、馬場医師による治療を求めて全国から当院へ患者が来院する。

診療内容

当科は年間400例程度の脳神経外科手術を行っている九州内でも有数の施設のひとつ。離島医療の中核病院としても活躍しており、従来より離島病院からの画像転送による画像診断を行い、これに基づき、自衛隊ヘリコプターによる離島からの患者搬送を受け入れてきたが、一昨年よりドクターヘリも稼動し、急患の治療に当たっている。
診療内容はくも膜下出血、脳腫瘍、てんかんの外科治療を中心に脳神経外科全般の治療が可能。てんかんの外科治療では日本をリードする施設のひとつであり、馬場医師はその中心的役割を担う。このため多くのてんかん患者が全国より来院。このほか当科では2005年より脳血管内治療も積極的に行い、徐々に手術数が増加してきている。臨床研究面ではてんかんの研究のほか未破裂脳動脈瘤の自然経過と予防的治療に関する研究を全国規模で行い、その結果は高く評価されている。また、最近のてんかん学の進歩により、てんかん外科手術の適応となる疾患が明確にされてきており、年々手術数が増加してきている。日本ではてんかん外科の適応となる例は年間3,000例程度と考えられているが、現時点ではその1/5程度にしか手術が行われておらず、多くの方が外科治療から取り残されている。その原因としてはてんかんに対して外科治療が可能であるということが良く知られていないことのほか、てんかんという病気がもともと治らない病気であるという固定概念を持っている人も多く、また、てんかんを正確に診断し、外科治療が可能な病院が極めて少ないことが挙げられる。当院では1988年より脳神経外科、小児科、精神科、神経内科などの多方面の医師による長崎てんかんグループを設立し、てんかんの包括治療を行ってきた。これまでの手術件数は800例以上であり、2012年度は80例の手術を行った。全国的にも手術件数の多い施設のひとつとなり、患者も九州内だけでなく近畿、名古屋、関東からも来院する。てんかんの手術は発作を抑制するだけでなく、術後に重大な後遺症を残さないことが重要。このためには多くの検査(脳波ビデオモニタリング、MRI、脳血流シンチ、脳代謝測定、神経心理検査など)を必要とするが、これらの検査を通じて、詳細な脳機能が解明することで、てんかんという病気の本態を解明していくことも当院の責務のひとつである。

「てんかん」を専門とする医師