大沼悌一 医師 (おおぬまていいち)

むさしの国分寺クリニック

東京都国分寺市本町4-1-9 国分寺本町クリスタルビル3F

  • 理事長、名誉院長

精神科 神経科 心療内科

専門

てんかん

大沼悌一

国立精神・神経センター武蔵病院や国立病院機構さいがた病院(新潟)で長年、てんかんの専門的治療を中心に取り組み、2002年にむさしの国分寺クリニックを開設。日本ではまだてんかんの専門医が少なく、専門的医療を受けられない患者が多い現状を問題視した大沼悌一医師の呼びかけに、副院長の加藤昌明医師や若手医師が賛同。発作の治療はもとより、日本てんかん協会(波の会)とも密に連携し、講演や啓蒙活動を通して、患者や御家族のさまざまな心理的、社会的問題に対応し、医療環境の向上に取り組んでいる。

瑞宝中綬章受賞(平成25年11月)長年のてんかん学に対する貢献により、天皇陛下より瑞宝中綬章(平成25年11月)を授与された。また公益財団法人てんかん治療研究振興財団より研究功労賞(金賞、平成26年3月)が贈られた。

診療内容

突然意識を失ったり、けいれんやこわばり、しびれなどによって転倒したり、動作が中断するといった発作を繰り返す慢性の病気、てんかん。人間の脳には通常、微弱な電流が流れているのだが、発作のとき、患者の脳内は過剰放電状態になる。嵐の空のように稲妻が幾筋もはしり、脳内電流が大きく乱れるのだ。まさに「てんかんは脳の電気的嵐」(大沼医師)といえる。原因は人によってさまざまだが、大きくは“脳になんらかの障害や傷があることで起こる”症候性てんかんと、種々の検査をしても異常が見つけられない“原因不明”の特発性てんかんに分けられる。そして両者は原因だけでなく、治りやすさも違う。
意外にも、比較的治りやすいのは特発性てんかん。「数年間薬を服用してもらい、発作が2年以上なければ少しずつ薬を減らして、服薬を中止にもっていくこともできます」(大沼医師)
いずれにせよ治療には、正しい診断が重要だ。「重視するのは発作症状をよく知ることです。患者さんは発作時の記憶はないので、目撃者と一緒に来院してもらい、話を聞き、かつ発作のときの様子を演じていただきます。発作症状から、どのようなてんかんかを推定し、脳波を調べるのですが、裏付けが取れる場合もあれば取れない場合もあります。脳波は100%信頼がおけるものではないからです」(大沼医師)
仮にてんかんのような脳波が出ていたとしても、てんかんではないケースは少なくない。
「パニック障害や一次性脳虚血等の症状をてんかんと診断されて来院する方が、10人中1人ぐらいの割合でいます。偽てんかんなんです」(大沼医師)
治療の主流は薬物治療。長期間の服用が必要なため、効果とともに、副作用を極力抑える処方が求められる。
「患者さんの2~3割は、発作がなかなか止まらなくて薬をたくさん飲まされ、副作用で苦しんで来院しますが、どの症状が薬の副作用なのか、判断することも大事です」(大沼医師)
話を伺うほどに、てんかんが、高い専門性を要する疾患であることがわかってくる。そのため、日本てんかん学会では「てんかん専門医」制度を設けているが、推定100万人の患者に対して、専門医は全国に300人ぐらいしかいない。
「適切な治療を受ければ70~80%の人は、発作をコントロールできて、普通に社会生活を送れます。専門医をもっと増やさなければいけない」(大沼医師)
45年以上に渡っててんかん治療に取り組み、専門医を認定する審査委員を務めたことのある大沼医師。後進の育成にも余念がないが、まだまだ役目は終えられない。
「患者と発作の目撃者の訴えをよく聞き、症状を読み、患者の心を読む。その上で、患者さん個々人に合う薬を必要最小限に使うのがポリシーです」(大沼医師)

医師プロフィール

1936年 生まれ。山形県出身
1960年 弘前大学医学部卒業。精神神経医学教室に入局。
1963年より1969年まで6年間、カナダ・マニトバ州立大学・ウイニペグ総合病院、およびアメリカ・デトロイト市ウエーンステート大学・州立病院にて脳波・神経医学の臨床を学ぶ。
帰国後弘前大学医学部精神科の助手、講師を務める。
1980年より国立精神・神経センター武蔵病院(現・国立精神・神経センター病院)てんかん病棟医長、同外来部長に。
1998年 独立行政法人国立病院機構さいがた病院院長(新潟)となり現在名誉院長
2002年 むさしの国分寺クリニック開業、院長
2014年10月 むさしの国分寺クリニック 名誉院長に就任、現在に至る

【賞】
2013年11月 天皇陛下より瑞宝中綬章を授与
2014年3月 公益財団法人てんかん治療研究振興財団より研究功労賞

「てんかん」を専門とする医師