意欲面の症状 家庭の医学

■意欲の欠乏(脳器質性精神障害気分障害〈うつ病〉、統合失調症
 やる気がしない、無気力になった、寝ているほうが楽だ、なにもしなくても退屈でないといった状態です。食欲や性欲の低下を伴う場合があります。また意欲がまったくなくなって自分から動こうとせず、すべて介助まかせという状態になることもあります(昏迷〈こんめい〉状態といいます)。

■意欲の亢進(気分障害〈躁病〉など)
 なにをやっても疲れない、なんでもできそうな気がする、じっとしていられないといった状態です。食欲や性欲の亢進(こうしん)を伴う場合があります。

■興奮(気分障害〈躁病〉、統合失調症、脳器質性精神障害、注意欠如・多動性障害など)
 動きが多い、じっとしていない、よくしゃべる、まわりの制止に耳をかたむけないなどの状態です。

(執筆・監修:高知大学 名誉教授/社会医療法人北斗会 さわ病院 精神科 井上 新平)