思考面の症状 家庭の医学

■思考の流れがおかしい(統合失調症脳器質性精神障害うつ病気分障害〈躁病〉など)
 思考の流れが障害されると、会話や行動に異常が出てきます。話のまとまりがわるい、つじつまが合わない、まったく理解できない、中断してしまう、なかなかさきに進まない、結論になかなかたどり着かない、次々と飛躍する、話が早すぎるなどがあります。本人が自覚している場合もありますが、自覚していない場合のほうが多いようです。

■考えていることがおかしい(強迫性障害、脳器質性精神障害、アルコール関連障害薬物関連障害、統合失調症、気分障害〈双極性障害〉)
 自分では不合理だと思いつつ、そのことを考えずにいられないという場合や、自分ではおかしいと思わないが周囲はまちがっていると判断する場合などがあります。周囲から異常を指摘されても治らない場合を妄想といいます。

(執筆・監修:高知大学 名誉教授/社会医療法人北斗会 さわ病院 精神科 井上 新平)