パニック障害と全般性不安障害〔ぱにっくしょうがいとぜんぱんせいふあんしょうがい〕 家庭の医学

 この2つは、以前、不安神経症と呼ばれていたものです。

■パニック障害
 パニック発作をくり返す病気です。発作は、特別な前ぶれなく突然にあらわれ、だいたい数分程度でおさまるのが特徴です。強い不安を感じ、死ぬのではないか、気が狂ってしまうのではないかと感じます。同時に動悸(どうき)、呼吸困難、過呼吸、めまい、発汗、ふるえなどのからだの症状も生じます。夜中寝ている最中、運転中、雑踏の中などいつでもどこでも起こりえます。
 パニック発作が一度起こると同じ場所に行くのを避けたり、また起こるのではないかと不安になったり(予期不安)します。また、慢性的になると、外出をひかえるなど生活が消極的になったり、からだの状態を気にして病院を頻繁に受診したり、気分的に落ち込んだりといった状態になることもあります。

■全般性不安障害
 パニック発作のように急激にあらわれるのではなく、不安が持続的、慢性的に続くものです。パニックほどの強さはありませんが、いらいら、緊張、集中困難などを伴い、リラックスできない感じが続きます。からだの面でも、頭痛、動悸、不眠、下痢などいろいろな症状が出がちです。この状態のときも、からだがわるいのではないかと心配し、病院の受診をくり返すことがあります。

(執筆・監修:高知大学 名誉教授/社会医療法人北斗会 さわ病院 精神科 井上 新平)
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