めまい 家庭の医学

 めまいはうったえられる症状のなかでも頻度の高いものです。一部には心因性のものもあり、また起立性低血圧などによる症状をめまいとうったえる人もいます。症状としては、「ふわふわする」などの浮動感と「ぐるぐる回る」という回転性めまいに分けられます。
 めまいは回転感覚や水平・垂直方向の感覚の異常であることが多く、センサーである三半規管、耳石器が異常に刺激されたり、まひするために生じます。末梢から中枢までを前庭(ぜんてい)神経系といい、知覚系と運動系からなり、運動系には眼運動系と小脳の関与があります。
 診断では、内耳障害による末梢性めまいと脳病変による中枢性めまいの鑑別が重要です。

(執筆・監修:東京大学大学院医学系研究科 教授〔耳鼻咽喉科・頭頸部外科〕 山岨 達也
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