踵部滑液包炎〔しょうぶかつえきほうえん〕 家庭の医学

 かかとの骨のうしろあるいはアキレス腱のうしろの部分に痛みが生じる疾患で、痛みは朝起床後に歩き始めたとき、あるいは長時間歩いたときなどにあらわれます。かたい靴や寝具などによるかかとの圧迫が原因のこともありますが、特別な原因がなくても生じます。
 治療では患部に加わる圧迫や機械的刺激をできるだけ取り除くことが大事です。消炎鎮痛薬を含む湿布や軟膏(なんこう)も用いられますが、症状がなかなか取れない場合には足底板(オーダーメイドの靴の中敷き)の使用や副腎皮質ステロイドの注射などの治療がおこなわれます。

(執筆・監修:東京大学大学院総合文化研究科 教授〔広域科学専攻生命環境科学系〕 福井 尚志)
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