足根管症候群〔そっこんかんしょうこうぐん〕 家庭の医学

 足の裏(足底)の感覚を伝える神経(後脛骨〈こうけいこつ〉神経)は、足くびのところで内くるぶし(内果)のうしろを通りますが、神経の通路はこの部分で、もともとかなり狭いため、なにかのきっかけで神経がこの部分で圧迫され、足底の痛み、しびれ、さわった感じがにぶい、といった感覚の異常をひき起こすことがあります。このような状態を足根管症候群と呼びます。
 専門医による診断が必要で、この疾患であることがはっきりすれば、病気の状態により痛みどめの薬の内服、足底板(オーダーメイドの靴の中敷き)の使用、神経が圧迫されている部分への副腎皮質ステロイドなどの薬剤の注射などがおこなわれます。症状が強く、これらの治療でも改善がみられない場合には、手術がおこなわれることがあります。

(執筆・監修:東京大学大学院総合文化研究科 教授〔広域科学専攻生命環境科学系〕 福井 尚志)
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