痴呆(認知症)の介護

 認知症の症状がある高齢者がふえています。もの忘れをするといった軽い程度から徘徊(はいかい:歩き回り)をしたり、排泄(はいせつ)物をいじる不潔行為をする人まで程度はさまざまです。認知症の人を介護する家族は介護負担が大きいことはもとより、自分の家族の変化を受け入れられないつらさもあります。
 また、「まだら認知症」などといわれ、家族以外の人にはきちんと対応でき、認知症だと思えないときもあり家族の精神的負担を増大させます。

■認知症の種類
 認知症には大きく分けて2種類あります。アルツハイマー型認知症と脳血管障害型認知症です。
 前者は脳の萎縮によるものです。後者は脳血管の梗塞により起こります。

■認知症高齢者への対応
□認知症かなと思ったら
 認知症が疑われたときはまず受診して確定診断を受けましょう。認知症とまぎらわしい症状にうつ状態やせん妄状態があります。できれば認知症の専門医に相談して認知症かどうか診断してもらい、今後の生活方法を指導してもらいましょう。

□自尊心を傷つけないで受容的態度で接する
 失敗した行動をしかったり、説得したり強制したりすることは本人に屈辱感を残すだけで、かえって認知症を進行させることにもなりかねません。家族にとっては理解しがたい行動をとっても、なぜそのような行動をとるのか理解しようとつとめ、受け入れるようにしましょう。
 どうせわからないのだからと思うのではなく、認知症になっても人としての尊厳を大事にして接することが大切です。このことはわかっていてもなかなか実行がむずかしいことです。

□感情にはたらきかける
 認知症の高齢者は感情が保たれていますから、その感情にはたらきかけることが大切です。
 たとえばやさしいまなざしを向けるとか手をにぎる、からだに触れるなどのボディータッチがとても有効です。

□介護の仲間をつくる
 介護を専門家や友人に助けてもらうことはもちろんのこと、同じ悩みをもつ家族の集まりに参加し、悩みを聞いてもらったり情報を集めたりすることは家族が孤立しないうえでも重要です。行政や民間団体が主催する介護者の集まる会などに積極的に参加してみましょう。