在宅療養の支援制度と相談窓口

■サービスを利用する“賢い消費者”
 急激な少子高齢社会をむかえ、高齢者介護のための制度が生まれました。2000年4月に運用を開始した介護保険制度です。介護保険制度はいままでの高齢者サービスの考えかたを根本的に変える制度です。
 従来の高齢者サービスは、税金でまかなわれていた措置でしたが、介護保険制度はみんなでお金を出し合って、必要なときに保険の給付として、サービスが受けられるしくみです。
 被保険者は全員保険料を支払わなくてはなりません。しかしサービスが必要になれば、いままでのように収入や家族構成に関係なく誰でもサービスを受けることができるようになりました。
 またサービスは国や市区町村が決まったサービスを無料で提供してくれるものであったものが、自分自身で選び契約してサービスを買い、1割または2割は自己負担として利用料金を支払って受けることになりました。サービスの受けかた、相談窓口、サービスの種類などを十分に知ったうえで、賢く自分自身または療養者に合ったサービスを利用することが大切です。
 自分の住んでいる地域の「高齢者サービスのしおり」や「福祉のしおり」などが役所に置いてありますので参考にしてください。また、役所のホームページにアクセスしても情報を得ることができます。

■相談窓口
 在宅療養のための相談窓口には、市区町村の介護保険課、地域包括支援センター、保健所・保健センター(福祉センターと合併しているところが多い)、福祉センター、民生委員などがあります。

□市区町村の役所
 市区町村の役所では相談窓口を設けて相談にのっています。最近は住民がより相談しやすくなってきています。たとえば総合相談窓口、保健医療福祉相談コーナー、お年寄り相談係などが設けられています。

□保健所・保健センター
 保健師やケースワーカーが相談にのってくれます。保健福祉センターという名称で保健と福祉をあわせて活動するようになっているところもあります。

□福祉センター
 福祉に関する相談をすべて受ける窓口です。最近は業務の簡素化がおこなわれ、また保健医療福祉の統合が進み、福祉事務所という名称を使っていない市区町村もあります。

□地域包括支援センター
 在宅介護の相談やサービスの紹介などをするための機関です。積極的に利用しましょう。

□居宅介護支援事業所(ケアマネジメント機関)
 介護保険制度でできた事業所です。介護保険制度を利用してサービスを受けようとするときに相談してください。サービスを紹介してくれたり、要望に応じてサービスを組み合わせてケアプランを立ててくれます(ケアマネジメント)。無料です。

□民生委員
 厚生労働大臣の委嘱を受けて地域住民の生活を守るために無給で活動しています。住民の身近にいて福祉一般に関することの相談にのり、行政との橋渡しをしています。

■利用できるサービス
 サービスにはフォーマルなサービスとインフォーマルなサービスがあります。フォーマルサービスは制度で決められたサービスです。インフォーマルなサービスはボランティア活動や自主グループなどがおこなう住民主体のサービスです。

□介護保険で受けられる在宅サービス


●介護保険で受けられるサービスの種類
都道府県・政令市・中核市が指定・監督をおこなう介護給付サービス
居宅介護サービス【訪問サービス】
○訪問介護(ホームヘルプサービス)
○訪問入浴介護
○訪問看護
○訪問リハビリテーション
○居宅療養管理指導
【通所サービス】
○通所介護(デイサービス)
○通所リハビリテーション
【短期入所サービス】
○短期入所生活介護(ショートステイ)
○短期入所療養介護
○特定施設入居者生活介護
○特定福祉用具販売
○福祉用具貸与
居宅介護支援
施設サービス○介護老人福祉施設
○介護老人保健施設
○介護療養型医療施設
市町村が指定・監督をおこなう介護給付サービス
地域密着型介護サービス○地域密着型通所介護
○定期巡回・随時対応型訪問介護看護
○夜間対応型訪問介護
○認知症対応型通所介護
○小規模多機能型居宅介護
○看護小規模多機能型居宅介護
○認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
○地域密着型特定施設入居者生活介護
○地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
都道府県・政令市・中核市が指定・監督をおこなう予防給付サービス
介護予防サービス【訪問サービス】
○介護予防訪問介護(ホームヘルプサービス)
○介護予防訪問入浴介護
○介護予防訪問看護
○介護予防訪問リハビリテーション
○介護予防居宅療養管理指導
【通所サービス】
○介護予防通所介護(デイサービス)
○介護予防通所リハビリテーション
【短期入所サービス】
○介護予防短期入所生活介護(ショートステイ)
○介護予防短期入所療養介護
○介護予防特定施設入居者生活介護
○介護予防福祉用具貸与
市町村が指定・監督をおこなう予防給付サービス
地域密着型介護予防サービス○介護予防認知症対応型通所介護
○介護予防小規模多機能型居宅介護
○介護予防認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
介護予防支援
このほか、居宅介護(介護予防)福祉用具購入費の支給、居宅介護(介護予防)住宅改修費の支給、市町村が行う介護予防・日常生活支援総合事業がある。


□その他のサービス
 介護保険制度のサービスとの兼ね合いで、市区町村によってサービスの種類や内容が異なります。以下は一例です。
・給食サービス
 調理が十分にできない高齢者世帯や、1人暮らしの人に食事をとどけるサービスです。ボランティアや業者に委託されていることもあります。
・紙おむつ支給
 寝たきりまたは認知症高齢者で、常時紙おむつを使用している人に支給されます。