外反母趾〔がいはんぼし〕

 足の親指(母趾)の付け根が変形して、母趾の付け根は内側に突き出すようになり、母趾のさきは逆に外を向くようになった状態をいいます。変形はまず母趾に起こりますが、変形が進むとほかの指にも変形が生じるようになります。この疾患は女性に多く、また遺伝的な要因も関与しているといわれています。
 症状は、おもに母趾の付け根の突出した部分の痛みです。これは、変形のためにここが靴で強く圧迫されるようになることで生じます。また、ハイヒールなど、つま先を締めつけるような履き物は外反母趾の発生をうながすことが知られています。
 ひとたび変形が生じると、手術をおこなわないかぎり変形を治すことは困難ですから、外反母趾の傾向のある人は変形が進まないように先の広くてかかとの低い、ゆったりした靴を履くなど、進行予防を心掛けることが大切です。

(執筆・監修:東京大学大学院総合文化研究科 教授〔広域科学専攻生命環境科学系〕 福井 尚志)
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