新型コロナウイルス感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行して、8日で1年を迎える。直近の新規患者数は減少傾向にある一方、この1年間は子どもの風邪やインフルエンザなどが変則的に流行し、感染規模も例年より大きかった。コロナの感染拡大期に流行が抑えられたことで病原体への免疫が低下した影響とみられ、専門家は手洗いなど基本的な感染対策の継続を呼び掛けている。
 新型コロナは昨年5月、全ての患者情報を集める全数把握から、全国約5000の医療機関による定点報告に変更された。厚生労働省によると、4月21日までの1週間に報告された患者数は11週連続で減少。昨年夏の流行「第9波」など感染が再拡大した時期もあるが、移行後は新たな変異株の拡大もみられない。
 ただ、子どもの感染症インフルエンザは猛威を振るっている。国立感染症研究所によると、乳幼児がかかりやすい夏風邪の一種ヘルパンギーナは昨年7月、1医療機関当たりの新規患者数が過去10年で最多に。子どもの肺炎を引き起こすRSウイルスも例年比で高い水準が続き、夏に流行のピークを迎えることが多い咽頭結膜熱(プール熱)も昨年11月に警報レベル(3人)に達した。
 インフルエンザのピークは例年1~2月だが、昨年は春夏を過ぎても勢いを維持。昨年12月には過去10年で最も早く、患者数が警報の基準(30人)を超える異例のシーズンとなっている。
 東京医科大の浜田篤郎客員教授(渡航医学)は「感染対策を強めた新型コロナ下では、他の病原体に接する機会が少なく、免疫が低下している」と指摘。その後の感染拡大により「かなりの人が免疫を持ったので、変則的な流行は落ち着くだろう」と述べた。
 一方、新型コロナは夏場にも流行のピークを迎えると分析。浜田氏は「再流行時にはマスクの着用や手洗いといった対策を実施してほしい」と話している。 (C)時事通信社