日本学士院(佐々木毅院長)は12日、甘利俊一・帝京大先端総合研究機構特任教授ら6人を新会員に選定した。学術上顕著な功績があった科学者から選ばれ、非常勤の国家公務員として年250万円の終身年金が支給される。会員数は137人となった。新会員は次の通り。
田中 成明氏(たなか・しげあき)法哲学。京都大名誉教授。法の3類型モデルを基軸とする法理論体系を構築し、法哲学の発展に貢献した。兵庫県三田市出身。82歳。
樋口 美雄氏(ひぐち・よしお)労働経済学。慶応大名誉教授。転職や賃金などの動学的理論仮説を検証し政策提言を行った。栃木県足利市出身。72歳。
平 朝彦氏(たいら・あさひこ)地質学。東海大海洋研究所長。日本列島が海洋プレートの沈み込みに伴う付加作用によって形成されたことを明らかにした。仙台市出身。78歳。
甘利 俊一氏(あまり・しゅんいち)数理工学。帝京大先端総合研究機構特任教授。神経回路網理論研究の成果が、人工知能(AI)の超多層ニューラルネットワークの学習に用いられる計算法の源流の一つになった。東京都目黒区出身。88歳。
清水 昌氏(しみず・さかゆ)応用微生物学。京都大名誉教授。微生物を用いたバイオ産業の発展に大きく貢献した。京都市出身。79歳。
上田 龍三氏(うえだ・りゅうぞう)内科学・臨床腫瘍学・血液腫瘍学。名古屋大大学院医学系研究科特任教授。成人T細胞白血病・リンパ腫(ATLL)に対する日本初の抗がん抗体医薬の開発研究を産学共同で推進した。松山市出身。80歳。 (C)時事通信社
学士院新会員に6人=数理工学の甘利氏ら
(2024/12/12 17:02)