足の悩み、一挙解決

第19回 数分の処置で20年来の足の痛みから解放
~長い回り道の末に~ 足のクリニック表参道院長 桑原靖

 足のトラブルの原因のほとんどが、足のアーチ崩れであることが、これまでの連載でご理解いただけたでしょうか。

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 外反母趾(ぼし)、足底腱膜(けんまく)炎、巻き爪など、一見して別々の問題に見えるものも、根本的な原因はシンプルであることが多いのです。

 ◇皮膚科やサロンを転々

 今回は、爪が分厚くなる爪甲肥厚(そうこうひこう)と、爪がでこぼこになる重複爪(じゅうふくそう)で受診した患者さんの治療をご紹介しましょう。

 患者は40代の女性Aさん。以下は、クリニックに来るまで、どんな経緯をたどったのか、ご本人が語った内容です(公表についてAさんからは承諾を得ています)。

 ▼20代から巻き爪に悩まされ、皮膚科を受診して、食い込んだ爪をニッパーで切ってもらう。

 ▼そのうち、ネイルサロンで爪のケアをするようになるが、費用も高額で、忙しかったこともあり、サロンには行きそびれ。揚げ句、爪が伸びたところで、つまずいて転倒。爪が根元から折れてしまう。

写真1

 ▼その後、爪が長く伸びなくなり、でこぼこに分厚くなって、皮膚に食い込むように。

 ▼近所の皮膚科を受診したところ、爪と皮膚の間に細いピンセットで脱脂綿を詰めるよう指導される。

 ▼その通りに脱脂綿を詰めると一瞬、痛みが楽になるが、靴を履くとすぐに外れてしまい、長続きせず。

 ▼別の皮膚科に行くと、足のアーチがつぶれているので、床に広げたタオルを足の指先で手繰り寄せる「タオルギャザー運動」をするように言われる。しばらく続けるも、指の動きがよくなった程度で、爪の状態は変わらず。

 ▼その後、ネイルサロンで分厚くなった爪をやすりで削ってもらっていたが、削り過ぎて穴が開いてしまったことも。

写真2


 ◇見るからに痛そうな状態

 足のクリニックで診察すると、両足の親指の爪のほとんどが浮いた状態になっていて、分厚くなった爪の両端が指に食い込み、見るからに痛そうな状態でした(写真1と2)。 

 浮いてしまった爪は、指先を押さえて踏み込む力をサポートするという爪本来の役割を果たしていないばかりか、爪そのものが痛みの原因になっているので、きれいに生えてくるよう、麻酔をして一部の爪を取り、形を整えることにしました。

 「麻酔して爪を取る」と言うと、Aさんはとても怖がりました。爪をはがす拷問のようなイメージがあるようです。



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