治療・予防

急な関節の痛みと腫れ―結晶性関節炎 
迅速な診断と治療を

 関節が急に腫れて痛くなる結晶性関節炎は、関節内などに沈着した結晶により引き起こされる。中年男性に多い痛風性関節炎(いわゆる痛風)と、高齢者に多いピロリン酸カルシウム(CPP)結晶沈着症の二つが代表的だ。十条武田リハビリテーション病院(京都市)リウマチ科の益田郁子部長に、両者の共通点と相違点を聞いた。

再発を繰り返すうち、関節が壊されていく

 ▽発作は徐々に頻繁に

 痛風では尿酸ナトリウム塩結晶、CPP結晶沈着症ではCPP結晶の沈着が原因となる。益田部長は「関節などに沈着した結晶が剥がれ落ちたときに、白血球が反応して炎症発作が起こります。炎症による痛みは強く、24時間以内にピークとなり、1~3週間以上続きます」と説明する。

 痛風の場合、血中の尿酸濃度が高くなる高尿酸血症が続くと、尿酸ナトリウム塩結晶が特に足の親指の付け根などの関節に沈着する。発作の頻度は、初めは1年に1度程度だが、病気の進行に従い増していく。再発を繰り返すうちに関節がこぶのように膨らみ、慢性、重症化すると変形する。

 国内では男性の約1%に発症し、最も診ることの多い急性関節炎である。発症年齢は30~40代が中心とされ、多量飲酒や栄養の偏りなど、生活習慣に問題のある人が目立ち、高血圧や脂質異常症などを合併している人が多い。

 一方、70歳以上での発症が多いのがCPP結晶沈着症で、「偽痛風」とも呼ばれる。膝や手首、足首などの関節の周囲に結晶が沈着して軟骨が硬くなる。結晶が沈着する原因はまだ分かっていないが、加齢が関連すると考えられている。痛風と比較して、膝や手首、足首、首、肩、肘などの比較的大きな関節に症状が表れることが多く、発作が起こると3週間以上の炎症や、38度程度の発熱を伴うこともある。

 ▽発作の抑制に薬が有効

 結晶性関節炎の診断は、炎症を起こしている関節から関節液を採取し、顕微鏡で結晶を確認する。また、痛風が疑われる場合は血液検査、CPP結晶沈着症であれば患部のレントゲン撮影などをあらかじめ行う。

 治療には、発作を抑える抗炎症薬やステロイド、コルヒチンが使用される。痛風であれば、尿酸降下薬で原因となる高尿酸血症を治療し、沈着した結晶を除去することで発作は起こらなくなる。背景にある生活習慣の改善、合併している生活習慣病の治療も行われる。一方のCPP結晶沈着症では、原因に対する根本治療はない。

 「結晶性関節炎には、症状が完全になくなる間欠期がありますが、再発を繰り返すと関節が壊されていきます。関節が腫れる急性発作が起こったら、すぐに整形外科やリウマチ科を受診してください」と益田部長は呼び掛けている。(メディカルトリビューン=時事)

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