医学の窓辺

日本腎臓病協会・日本ベーリンガーインゲルハイム共同研究事業 腎臓病領域における革新的な研究を支援する助成金交付対象者決定

 2018年7月に厚生労働省健康局がん・疾病対策課から、「腎疾患対策検討会報告書~腎疾患対策の更なる推進を目指して~」が発出され、日本腎臓学会では各自治体と連携しての慢性腎臓病(CKD)対策事業を推進しています。

 日本腎臓学会の関連組織として設立されたNPO法人 日本腎臓病協会(所在地:東京都、理事長:柏原直樹、以下「日本腎臓病協会」)(WEB: https://j-ka.or.jp)では、日本腎臓学会とも密接に連携し、種々の腎臓病対策の立案、研究、医薬品・医療機器・診断薬開発、政策立案の関係者が一同に会するプラットフォームであるKidney Research Initiative-Japan(KRI-J)を組織・強化し、All Japan体制を構築して腎臓病克服をめざす活動を精力的に推進しています。

 このたび、日本腎臓病協会と日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役 医薬事業ユニット統括社長:シャシャンク・デシュパンデ、以下「日本ベーリンガーインゲルハイム」)が、本年3月1日から4月末日までの応募期間で募集していた日本腎臓病協会・ベーリンガーインゲルハイム共同研究事業(以下、「共同研究事業」)の助成金交付対象者が、日本腎臓病協会の選考委員会において決定されました。そして2021年5月27日に選考結果報告会議が開催されました。

 日本腎臓病協会と日本ベーリンガーインゲルハイムは、腎臓病の啓発の取り組みを通じて、国民の健康増進に寄与することを目的とした、「腎臓病の啓発の取組のための包括連携協定」を締結し、各種の活動に取り組んでおります。本共同研究事業は、腎臓病領域における革新的な研究を促進し、腎臓病治療の発展に寄与することを目的に、実施しております。募集課題は、慢性腎臓病を中心とした他疾患との関わりを解明する基礎研究(「病態メカニズム」、「臓器間ネットワーク」等)および広く腎臓病領域での基盤整備に寄与する調査・研究(「データベースの利活用」、「病診連携」等)です。

 年齢が55 歳以下の研究者(2021 年4 月1 日時点)を対象とし、慢性腎臓病を中心とした他疾患との関わりを解明する基礎研究(「病態メカニズム」、「臓器間ネットワーク」等)および広く腎臓病領域での基盤整備に寄与する調査・研究(「データベースの利活用」、「病診連携」等)を対象課題とし、4月末日を締め切りとして公募いたしました。

 全国よりご応募いただきました24 件の研究テーマにつきまして,日本腎臓病協会から選出された選考委員により、① 研究課題の学術重要性・妥当性、 ② 研究課題の独創性及び新規性、③ 研究計画・方法の妥当性、④ 研究成果のインパクトについて、それぞれ5 段階の評価を実施いたしました。全国から寄せられた応募の中から、日本腎臓病協会選考委員会による厳正な審査・選考の結果、下記6名の研究者が助成金交付対象者として選ばれました。

 日本腎臓病協会・日本ベーリンガーインゲルハイム共同研究事業助成金交付対象者および研究テーマ(順不同)
 ・井上 剛先生(長崎大学 大学院医歯学総合研究科 内蔵機能生理学):「脳―脾―腎連関を介した腎疾患制御機構の解明」

 ・久米 真司先生(滋賀医科大学 糖尿病内分泌・腎臓内科):「長期eGFR解析Viewer導入による新規CKD病診連携システムの構築に向けてー高齢透析導入数の減少の実現を目指してー」

 ・松本 啓先生(東京慈恵会医科大学 腎臓・高血圧内科):「薬剤誘導遺伝子改変マウスを用いた早産児低ネフロンナンバーモデルマウスの作成と解析」

 ・涌井 広道先生(横浜市立大学 循環器・腎臓・高血圧内科学):「レニンーアンジオテンシン系過剰活性化抑制因子に着目した高血圧・腎臓病の脳腎連関制御」

 ・矢野 裕一朗先生(横浜市立大学 次世代臨床研究センター):「人間と人工知能の共創的な知を用いて腎臓病進展阻止を目指す最適な治療ストラテジーの開発」

 ・蘇原 映誠先生(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 腎臓内科学):「細胞のAMP感受性を制御するULK1が起こすCKD憎悪メカニズムと臓器連関機序の解明」

 2021年5月27日に開催された選考結果報告会議には、日本腎臓学会/日本腎臓病協会側からは、日本腎臓学会/日本腎臓病協会 理事長 柏原直樹 教授(川崎医科大学 腎臓・高血圧内科学)、日本腎臓学会 特別顧問/日本腎臓病協会 理事 南学正臣 教授(東京大学 腎臓内科学/内分泌病態学分野)、日本腎臓学会 監事/選考委員長 岡田浩一 教授(埼玉医科大学 腎臓内科学)、日本腎臓学会 理事 田村功一 教授(横浜市立大学 循環器・腎臓・高血圧内科学)、日本腎臓学会 幹事長 西山 成 教授、日本腎臓病協会 中川利文 事務局長が出席しました。

 日本腎臓病協会の理事長であり、本共同研究事業の選考委員である、柏原直樹先生は、次のように述べています。「腎臓病領域における革新的な研究を促進し、腎臓病治療の発展に寄与するという、本共同研究事業の目的に沿う質の高い応募が多数寄せられました。この度、選出された研究だけでなく、応募されたすべての研究が、腎臓病治療のブレークスルーとなり、腎臓病治療の課題を克服することにつながるよう、大いに期待しています」

 WEB サイト:
・日本ベーリンガーインゲルハイムプレスリリース: 日本腎臓病協会・日本ベーリンガーインゲルハイム共同研究事業 腎臓病領域における革新的な研究を支援する助成金交付対象者決定 |
boehringer-ingelheim.jp

日本腎臓病協会KRI-J:共同研究事業 | KRI-Jイベント情報&レポート | KRI-Jについて | NPO法人 日本腎臓病協会 (j-ka.or.jp)

写真:
2021年5月27日に開催された選考結果報告会議(日内会館およびWEB)日本腎臓病協会 柏原理事長(左)、採択研究一覧(右)、会議参加者(下一覧)

 (文責: 田村功一)

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