インタビュー

疼痛治療、急がれる体制整備 =間違った情報、多大な経済損失―北原雅樹医師

 ◇痛みと診断

 ―慢性痛は何が原因か
 北原 急性痛は同じ胃痛でも、胃潰瘍と胃炎では全く治療方針が違う。急性痛の場合、診断名は大変重要だ。慢性痛は生活習慣病から来る痛み、疾患による痛み、処置に伴う痛みなどがある。すべてが混合性疼痛(とうつう)で、ほとんどの場合、痛みに対する治療方法は同じだ。痛みの状態を見て医学者が無理やり診断名を付けているにすぎない。患者は病名を知りたがり知ることで安心するが、一般の診断名と痛みの原因が違うことも少なくない。重要なのは、痛みが明らかな原因がある急性なのか、そうでない慢性かを診断することだ。

 ―慢性痛の治療法は

 北原 日本に慢性疼痛のガイドラインはない。放置される慢性痛のうち、一番多いのは筋肉の痛みだ。混合性の痛みだが、軽度なら不自然な姿勢で仕事をしない、軽い運動をする、減量、睡眠3~4時間前からの飲酒はしないことなど日々の生活で改善、予防ができる。簡単なことだが、患者もかかりつけ医も知らないのは、情報が広く伝わっていないからだ。慢性痛は我慢すれば治ると思われがちで、積極的に治療が行われてこなかった。

 私が行っている治療は、運動療法や心理療法が中心。筋肉痛には東洋医学のはりを使用した筋肉内刺激法も取り入れた。麻酔科医だけでなく、精神科医、リハビリテーション医、理学療法士、臨床心理士など、複数の医療者が治療を行う集学的な治療が、慢性痛治療の標準的なモデルになっている。

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