インタビュー

疼痛治療、急がれる体制整備 =間違った情報、多大な経済損失―北原雅樹医師

 ◇センター設置は急務

 ―日本の慢性痛治療はどうあるべきか。

 北原 痛み治療は臨床面だけがクローズアップされがちだが、複雑な痛みの治療は臨床と研究が一体となる必要がある。調査結果をフィードバックし、さらに加速する超高齢社会の中で、慢性痛を抱える高齢者の診療をシステマチックに行う痛みセンターを国内につくることが急務だ。重症患者の治療だけでなく、予防も行い、健康寿命を延ばすことも期待できる。次世代の専門家育成も重要な課題だ。

 臨床・教育・研究のほかに、行政、総合診療医、一般市民などへの情報提供・PRも、欧米の痛みセンターでは大きなウエートを占めている。

 2025年には65歳以上が3600万人、稼ぎ手が減少し、日本は経済的にも貧しくなる。慢性疼痛患者は現在2000万人。経済的損失は数兆円といわれている。痛みセンター設立には立法化を含め、さらなる展開が必要だ。患者会やマスメディア、SNSなどで、関心を高めて多くの人たちが声を上げていくことが望まれる。(ソーシャライズ社提供)


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