早めの治療で動脈硬化を予防 =家族性高コレステロール血症
◇親子で受診を
脂質異常症の一番の問題は、動脈硬化を起こし、狭心症や心筋梗塞などを発症することにある。生活習慣病による脂質異常症の治療は食事療法と運動療法から始め、数値が下がらない場合に薬物療法を追加するのが一般的だ。
しかし、家族性高コレステロール血症の患者は、幼少期から動脈硬化が進んでいる恐れがあるため、より強力にコレステロール値を下げる必要がある。そのため、食事療法や運動療法だけでなく、薬物療法も併用して治療を開始する。
「食事療法はコレステロール値への直接的な影響はありませんが、魚や大豆、食物繊維を取り、運動することで、動脈硬化の進展を抑える効果が期待できます」と、寺本名誉教授は説明する。
以前は、1~2週間に1度、3~4時間かけて血液中からLDLコレステロールを取り除く血液浄化療法が必要な場合もあったが、最近は新薬の登場で、同療法をせずにLDLコレステロールを管理することが可能になってきている。「家族性高コレステロール血症はできるだけ早く治療を開始し、継続することが重要です。親が家族性高コレステロール血症と診断されたら、お子さんも一緒に受診してください」と、寺本名誉教授はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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(2017/11/11 16:05)