急性膵炎、死亡の危険も
腹痛続くなら受診を
▽入院治療が必須
急性膵炎では、膵臓の腫れや出血、壊死が起きる。主な症状は上腹部の痛みや吐き気、嘔吐(おうと)、発熱などだ。膵臓が胃の裏側にあることから背中が痛くなる人もいる。強い炎症が肝臓や腎臓、肺などにも広がると、全身の臓器が機能しなくなる多臓器不全に陥り死亡することがある。壊死した膵臓が細菌に感染すると、菌が全身に回って、敗血症を起こして死に至る場合もある。
治療するためには重症度に関わりなく入院が必要だ。まず膵臓を安静に保つため食事や水分の摂取が禁じられる。その間の水分や栄養の補給は輸液と経腸栄養で行う。壊死による感染症の危険があれば、抗菌薬なども使う。胆石が関わっている場合は手術で胆のうを切除するケースもある。入院期間は軽症なら数日、重症の場合は2~3カ月かかることがある。
竹山主任教授は「腹痛などの症状は食事してから数時間後に表れることが多く、発症後72時間以内は重症化しやすい傾向があります。早期の診断と治療が必要です」と話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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(2018/09/20 10:00)