足の悩み、一挙解決

第3回 巻き爪の正しい解決法
~もう我慢する必要はありません~ 足のクリニック表参道院長 桑原靖

 ◇手術は日帰りが可能

 巻き爪の手術で現在、主流なのは「フェノール法」。フェノールとは薬品の名前で、高校生の化学の授業でよく耳にします。指の付け根に麻酔の注射をして、巻いている爪の端を根元まで切除し、その部分から新たに爪が生えてこないように、爪になる前の爪母細胞をフェノールで焼いてしまいます。

 当クリニックでは、注射の針を刺すところには瞬間冷却スプレーをかけて、皮膚の表面を一瞬麻痺させ、痛みを感じなくてすむように工夫しています。爪の切除範囲は、あまり取り過ぎると爪が細くなり過ぎ、見た目が悪く、後戻りできないので、巻いた爪が下に向かっている部分、1.0~1.5ミリくらいの幅にとどめます。

 巻き爪の手術は5~10分程度で終わり、その日からお風呂にも入れますし、ばんそうこうで患部を保護するだけなので、普通に歩くことができます。麻酔は1時間ほどで切れますが、切れた後も痛みのために眠れないようなことはありません。長年苦しんだ末に手術を受けた患者さんからは「もっと早く手術を受ければよかった」と、非常に感謝してもらえます。

 ◇治療後もインソールを使おう

 巻き爪の原因のほとんどは、足のアーチの崩れです。手術で巻き爪が治っても、他の足のトラブルが起こる可能性が高いので、ワイヤー治療だけでなく、手術を受けた患者さんにも、今後のことを考えてインソールを使って足裏のアーチをサポートすることをお勧めしています。

 日本では、まだインソールを使うことの重要性が十分に認識されていませんが、多くの足のトラブルに対して、インソールが最も簡便で有用な解決法になります。インソールには、市販のもの、オーダーメイドのもの、治療用のものなど、いろいろな段階があります。選び方、使い方については、今後の連載の中で解説していきます。

 巻き爪だと、無意識に親指をかばって歩くので、地面をしっかり蹴ることができなくなり、すり足の状態になってしまいます。すると、わずかな段差でも転びやすくなり、高齢になると、骨折の原因にもなりかねません。たかが巻き爪と軽く見ず、早めに治療しておきましょう。

(文・構成 ジャーナリスト・中山あゆみ)


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