FEATURE レポート紹介

交流の場を提供する裏方として
=医療系学生サークルMEDICUS=

 2011年に設立された医療系学生サークルMEDICUSは、関東の大学で医学部、看護学部、薬学部などに通う医療系学生約100人がメンバーだ。主な参加大学は、防衛医科大、杏林大、星薬科大など。大学の垣根を越えて医療系学生が交流する場を設けることに力を入れている。

「大きな輪」を目的に

MEDICUSの基本理念は「授業では学べない医療の周辺知識を学ぶ」と「学年・学部・学校の枠を超えた医療の大きな輪を作る」の二つだ。とりわけ、大切にしているのは「大きな輪を作る」こと。ストレートに言えば「友達を増やすための活動」だ。
 柴田瑠香さん(星薬科大4年)は「私が通っている大学には薬学部しかありません。他学部の学生がどのようなことを学んでいるかを知る機会はありませんし、大学を超えた交流も少ない。でも、病院では医師や看護師などさまざまな職種の人間と働くことになります。そこで学生のうちから交流を深めてネットワークを構築していくことを、MEDICUSでは大切にしています」と話す。
 柴田さん自身、「狭い人間関係の中で大学生活を終えると後悔すると思った」ことが参加を決めた理由だ。

星薬科大4年の柴田瑠香さん(左)と
防衛医科大4年の中島侑政さん

内視鏡などを生産しているオリンパスの見学ツアー

MEDICUSの一大イベント、ハロウィーン・パーティー

裏方として交流の場を設ける

MEDICUSでは定期的なミーティングはなく、連絡はすべてSNSを活用している。活動の縛りは少なくて年会費もない。効率的で合理的。自由度は高くて非常に「現代的なサークル」と言えるかもしれない。
 中島侑政さん(防衛医科大4年)は「私たちの役目は、医療系学生が楽しく交流できる場を提供することです」と話す。
 例えばサークルの一大イベントであるクリスマス・パーティーやハロウィーン・パーティーは、MEDICUSに所属していなくても、医療系学生なら自由に参加できるように門戸を開いている。裏方としてイベントを支えるのがMEDICUSのメンバーだ。
 「初対面の学生同士でも話しやすい空間を提供するのが私たちの役目です。そこで新しい交流が生まれたらと思っています。また、メンバーがやりたいことを幹部がサポートするのも私たちのスタンス。ですから、あまり上下関係はありませんね。後輩が『こうしたイベントを企画したい』と言えば、会場の手配や告知の方法などをアドバイスしていきます。誰でも企画を実現できる環境があります」(中島さん)

他団体との共同キャンプも実施している

被災地の子供たちをディズニーランドへ

活動は単なるイベントの開催だけではない。2012年、アメリカン・エキスプレス・インターナショナルが「Student Challenge for Change」という学生支援プログラムを展開した。国際支援や震災復興などに取り組む大学生のグループをサポートする企画で、日本フィランソロピー協会を通じて総額300万円の支援金を各団体に分配するもの。MEDICUSは支援金の支給対象に選ばれた。
 「総額70万円の支援を受けました。どのように使うか、みんなで話し合い、東北の被災地の小学生をディズニーランドに招待する企画を実行することになりました」(中島さん)
 「保護者の皆さんには『見ず知らずの大学生に子供を預けていいのか』など賛否両論あったそうです。でも、実際に開催してみると大好評でした。私たちが20数名の小学生をアテンドしました。それをきっかけに、私たちが被災地を訪問するなど交流が生まれました。これも『大きな輪』の一つ。積極的に関わっていこうとする姿勢がMEDICUSの魅力だと思います」(柴田さん)
 今後について、中島さんは「先輩たちが頑張ったおかげで規模が大きくなり過ぎたところがあるので、もう少し身の丈にあった活動をしたいですね」と笑う。ただ、「親しみやすさや自由度の高さなど、他の医療系団体にはないMEDICUSの長所はこれからも残していきたい」とも。「大きな輪」を少しずつさらに大きく。MEDICUSらしい方法で医療系学生のネットワークを広げていく。