FEATURE レポート紹介

楽しみながら医学英語を習得
多くの大学と活発に交流
=日本国際医学ESS学生連盟=

日本国際医学ESS学生連盟(JIMSA)は1962年に発足した日本でも最も歴史のある学生団体の一つ。医学英語教育や国内交流が活動のメインで、仲間づくりやコミュニケーション能力向上のための活動を行っている。10月14日に聖マリアンナ医科大学で行われたJIMSAのイベント「基礎医学研究発表会」(BMC、用語説明1)の会場で、副代表の寺島健貴さん、臨床医学部門ディレクターの鈴木雄介さんに活動の内容と、その魅力について聞いた。

副代表の寺島さんと臨床医学部門ディレクターの鈴木さん

――JIMSAは歴史のある団体ですね。立ち上げの経緯を聞かせてください。

副代表・寺島さんJIMSAは医学英語教育や国内交流を通じて、優秀な医療従事者になるための環境を提供し、国際的な視野を持つ優れた人格を作り上げることを目的とした、非営利・非政治的な学生団体です。創業者である石塚幸雄先生が、「国際医学生連盟」(IFMSA)の世界総会に出席された時に、日本にもIFMSAのような学生団体があるとよいと思い、立ち上げたのがきっかけです。

その後、活動範囲が増えていく中で、社会貢献や国際社会とのつながりに活動の中心をおくIFMSA の流れを継ぐ「IFMSA-Japan」と英語とコミュニケーションスキルの習得に重きを置く「JIMSA」に分かれ、それぞれが独立して現在にいたっています。

IFMSAは運営スタッフが会を盛り上げているのに対して、JIMSAは参加した人全員で協力して、楽しみながら盛り上げるという感じです。いつでも気軽に参加できるアットホームな団体を目指しています。

副代表の寺島さん

――主にどのような活動を行っているのでしょうか。

副代表・寺島さんJIMSAは医学英語を学ぶ全国の学生団体「英語会」(ESS)の集合体。大学間で交流を深め合い、英語にとどまらず、医療者になるのに必要なコミュニケーション能力を養います。部門に分かれて地域単位、全国単位で定期的にイベントを開催しています。

具体的な活動は「一般英語部門」「基礎医学部門」「臨床医学部門」の3部門があり、一般英語部門は、スピーチコンテスト、ディベート、英語劇の三つのグループに分かれて行われます。

JIMSA全体を総括する幹部メンバーは総勢50人程度ですが、各大学のESSのクラブ活動としてJIMSAに加盟している団体が全国に12校あり、個人会員を含めると450人を超える会員がJIMSA主催の大会やイベントを通じて、英語や医学のスキルアップ、大学の枠を超えた交流をしています。

新学期が始まる4月からほぼ毎月イベントを開催し、学習と遊びの両方で交流を深めています。例えば4月はディズニー新歓、5月はボウリング新歓、8月にはサマーキャンプ、10月には基礎医学発表会、11月は臨床医学発表会、12月にディベート大会。冬はスキーなどを楽しむウィンターキャンプもあります。3月にも演劇部門の公演をメインとした「JIMSA Spring Session」が開かれます。

ただ単に医学英語を習得するだけでなく、学部、大学を超えて交流することによる、人間関係を構築するスキルを身に着けることも重点に置いて活動しています。

ディズニー新歓

――イベントを楽しみながら、交流を深めて、英語も習得するということですね。

ディレクター・鈴木さんはい、JIMSAにはそんなイベントが本当にたくさんあるので、それを具体的に知ってもらうためのイベントが5月に開催されるFreshmen’s Greetingという新歓イベントです。新入生にJIMSAが行っている様々な活動やイベントをワークショップ形式で体験してもらいます。

副代表・寺島さん中でも一番大きなイベントは8月に3泊4日で行うサマーキャンプです。部分参加も含め、総勢50~60人くらいが参加します。今年のキャンプでは「米国医師国家試験」(USMLE)の勉強会を開催しました。日本語でプレゼンテーション形式の発表会を行った後、実際にUSMLEを解いてみるという内容です。

キャンプでは他にも様々な部署のワークショップを体験。バーベキュー、花火、海水浴、観光など、勉強以外のコンテンツも盛りだくさんで充実しています。

サマーキャンプ

――英語劇の公演も行われるのですか。

副代表・寺島さんメインがドラマ(英語劇)の公演です。大きな舞台で、本格的な音響照明も使います。昨年のテーマは「脳死した娘の臓器移植に関して遺族がどう決断するか」というテーマで20~30分くらい公演されました。

――この団体に入ったきっかけと、入ってよかったことを教えてください。

副代表・寺島さん私はもともと英語が苦手でした。入学当時は基礎医学の研究員になりたいと思っていたので、先輩からJIMSAが英語の基礎医学をやっていることを聞き、興味を持ちました。実際に入ってみて、先輩たちが後輩思いなのでとても居心地がいいです。同期もとても仲が良くて、普段の活動以外でも定期的に集まったりしています。仲間ができたことが一番の収穫です。

ディレクター・鈴木さん僕も英語があまり得意ではないので、勉強するきっかけを作るために入りました。また、高校の時も化学部だったので、同じ勉強系の部活で意識を高めたいと思いました。他大学との交流は視野も広がります。

入ってみてよかったことは、人前で発表する練習ができたことです。JIMSAでは自分でスライドや資料を作って発表します。そのため、自分で作って話すことがだんだんと楽しくなってきました。そこが一番の変化したことです。

臨床医学部門ディレクターの鈴木さん

――今回のBMCのイベントはどのような内容になりますか。

副代表・寺島さんBMCは同じ大学のメンバーを中心にチームを作り、各年度の大会テーマに沿って研究した成果を、英語を使って学会形式で発表する大会です。質疑応答の時間もあり、発表者と聴講者の間で議論し、新たな疑問点を探り、次への課題へつなぎます。

基礎医学研究への興味を高め、学生時代には経験することが少ない学会形式で英語での研究発表を経験することができます。また、研究の準備や考察段階で米国の医学などのデータベース「PubMed」(用語説明2)などを用いて論文を探したり読んだりするので、論文を読む練習にもつながり、同時に英語も学べます。さらに、研究でお世話になる先生方と話し合ったり、研究の考察に助言をいただいたり、時には雑談したりできるので、通常の授業のように、ただ聴いているだけではできない関係ができます。

BMCの研究発表の様子。発表はすべて英語で行われる。

――最後にJIMSAに興味のある学生に向けてメッセージをお願いします。

副代表・寺島さん学生生活でやりたいことを見つけたい人や既にやりたいことがある人に入って欲しいですね。JIMSAは医学の勉強、英語の勉強、研究、発表とかさまざまな活動があり、他大学・他学年の学生やOB/OGとも人間関係を築けます。活動の範囲がとても広いので、医療系学生のさまざまなニーズに対応できる団体ではないかと思います。やりたい活動を見つけて、そこに参加してくれたらうれしいですね。

ディレクター・鈴木さん英語もなかなか自分だけだと勉強できないと思います。英語がしゃべれなくても英語の勉強を始めるきっかけを作りたいっていう人に来てもらいたいです。遊びも勉強も楽しめるので、気軽に参加して一緒に活動できたらいいなと思います。

↓入会申し込みはこちらまで
JIMSA公式サイト:https://www.jimsa.org/

【用語説明】

(1)BMC:Basic Medical Conference JIMSAの大きなイベントの一つ。自分たちの行ってきた研究の成果を英語でプレゼンテーションし、総合的な評価を競う。

(2)PubMed:米国国立医学図書館内にある国立生物. 科学情報センターが作成しているデータベース。