一流に学ぶ 角膜治療の第一人者―坪田一男氏
(最終回)常に「ごきげん」の道を=ベンチャービジネスに意欲
◇いつもプラス思考で
新しいプロジェクトに取り組んでいると、トラブルと無縁というわけにはいかない。「坪田先生、だまされてますよ!と親しい人から忠告をうけることがよくあります」とさらりと笑うが、過去には坪田氏が始めたアイデアが気が付けば人の手に…などということもあったという。
「でも、ほかにもっといいことがある。母の影響だと思いますが、おもちゃ箱をひっくり返して遊んでいる時に友達におもちゃを一つ取られたとしても、まだほかにたくさんあるから『いいや』と思う。過ぎたことにはこだわらない」
そう簡単にマイナス思考から抜けられないという人に対しては、こうアドバイスする。「1日の終わりに、きょうの良かったことを三つ思い浮かべる。毎日続けることで、良いことに目を向けるトレーニングになる。それで1日を締めくくることが大事です」
ごきげん至上主義が高じて、2012年9月には認知行動療法で著名な精神科医の大野裕氏らとともにポジティブサイコロジー医学会を発足させた。「精神医学ではうつ病などネガティブな心理や病気の研究が注目され、病んでいる人や苦しんでいる人を助けることに主眼が置かれています。私は、ポジティブな考え方がアンチエイジング、健康長寿にも関係しているという研究を進めていきたい」
坪田氏の未来予想図は「ごきげんな仲間と楽しく仕事をして、シャンパーニュで乾杯する100歳の自分」。「年はとりたくない」と言う人もいるが、年を重ねるというのは、知識や経験が豊富になり、より成熟し、仲間が増えて人生が豊かに彩り深くなっていくのだから、楽しみだという。(了)(ジャーナリスト・中山あゆみ)
◆坪田一男医師は自身のオフィシャルサイト(http://www.tsubota.ne.jp/)で、ドライアイやアンチエイジングの最新情報などを紹介しています。
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(2017/10/13 16:57)