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それ、リウマチかもしれません
~原因不明の関節痛~ 【第1回】

関節リウマチは朝のこわばりや動かし始めの痛みが特徴(イメージ画像)

関節リウマチは朝のこわばりや動かし始めの痛みが特徴(イメージ画像)

 関節リウマチの痛みの特徴

 関節リウマチの痛みには、幾つかの特徴があります。関節が炎症を起こすため、痛みはしばしば持続的で、特に朝のこわばりや動かし始めの痛みが特徴的です。

 また、痛みの強さは日中の活動や天候の変化によっても影響を受けます。リウマチは、適切な治療を受けることで痛みの管理が可能ですので、早期に専門医に相談するようにしましょう。

 ▽初期の痛みは圧痛・運動

 リウマチの初期段階では、関節を押したときに感じる圧痛や、関節を動かしたときの運動痛が主な症状です。これらの痛みは関節内部の炎症によるものです。 

 日常生活の中で関節に負担がかかる動作を避けることが痛みの軽減につながります。早期に適切な治療を受けることで症状の進行を抑えることができます。

 ▽何もしなくても痛む自発痛

 リウマチによる自発痛は、関節に炎症があるため、何もしなくても感じる痛みです。

 これは、炎症性疼痛(とうつう)とも呼ばれ、炎症が進行することで痛みが増します。天候の変化や湿度の上昇が痛みを悪化させることが多いです。

 持続する痛みを感じる場合は、リウマチの疑いがあるため、早急に医師の診察を受けることをお勧めします。

 ▽血流の阻害で痛む阻血性疼痛

 リウマチでは、血流の阻害による阻血性疼痛も見られます。炎症が進行すると、関節周囲の血流が悪化し、酸素不足による痛みが発生します。

 この痛みは、関節を休ませたり、温めたりすることで一時的に緩和されますが、根本的な治療にはリウマチそのものの治療が必要です。

 ▽骨が弱くなって痛む機械的疼痛

 リウマチが進行すると、関節の軟骨や骨が摩耗し、機械的疼痛が生じます。これは、関節を動かすときに感じる痛みで、骨粗しょう症の進行に伴って強くなることがあります。

 定期的な検診と治療が重要で、骨の健康を維持するための適切なケアが必要です。

 ▽神経の締め付けで痛む絞扼性の神経障害

 リウマチによる関節の変形や炎症が進むと、神経が圧迫されて絞扼(こうやく)性の神経障害が起こり、激しい痛みが発生します。

 この痛みは神経が圧迫されることによって生じ、しびれやまひを伴うことがあります。早期の診断と適切な治療が重要で、痛みの管理と神経の保護が必要です。

 ◇発病後1~2年以内の治療が鍵

 関節リウマチの治療において、発病後1〜2年以内に適切な治療を開始することが重要です。

 この期間に治療を始めることで関節の破壊を防ぎ、症状の進行を抑えることができます。発症から時間が経過すると治療が難しくなるため、早期の専門医受診が推奨されます。

 早期治療により、日常生活の質を維持し、長期的な健康を保つことが可能です。リウマチと診断された場合は、速やかに治療を開始し、医師と共に適切な治療計画を立てることが重要です。(了)

湯川宗之助医師

湯川宗之助医師

 湯川宗之助(ゆかわ・そうのすけ) 1975年生まれ、東京都出身。2000年東京医科大学医学部医学科卒業後、同大学病院第三内科、産業医科大学医学部第一内科学講座を経て、15年に湯川リウマチ内科クリニックを開院。16年一般社団法人リウマチ医療・地域ネットワーク協会を設立。リウマチの正しい理解を促す啓蒙活動を精力的に行う。関節リウマチの啓発活動、継続的なその取り組みが評価され、さまざまなメディアでも紹介。20年にはKADOKAWA出版より書籍を発刊。

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