久保隆彦 医師 (くぼたかひこ)

代田産婦人科

神奈川県座間市相武台1-20-21

  • 名誉院長

産科 産婦人科

専門

周産期医療、ハイリスク母体・胎児管理、母子感染予防(風疹、麻疹、サイトメガロウイルスなど)、メンタルヘルスに問題を持つ妊産褥婦の管理、妊娠中に服用した薬などの相談

久保隆彦

・日本の周産期医療の最先端を行く国立成育医療研究センターの元産科医長。現在は神奈川県座間市唯一の分娩施設である代田産婦人科の名誉院長。
・我が国で初めてのHIV感染妊婦管理を行い、児に感染させることなく分娩させ、我が国のHIV妊娠管理のフローチャートを作成した。
・幼少時からの重篤疾患合併あるいは臓器移植後などのキャリーオーバー妊婦だけでなく、各種ハイリスク妊娠・胎児・分娩の多数の管理を行っていた。
・世界で初めて「胎児カルテ」を開発し完全ペーパーレスの産科電子カルテを立ち上げた。その原則は「胎児を人間として管理し、fetus as a patient」を実践している。
・妊娠のリスクを自己診断できる「妊娠リスクスコア」を開発し、全国各地に普及させ、妊婦の自覚を促すだけではなく、妊婦のリスクに応じた適切な分娩施設選び、さらには周産期医療体制の重症度に応じた妊婦の集約と分散を可能とした。
・妊娠中の母子感染、薬の服用、メンタルヘルスなど種々の妊婦の問題に対応するセカンドオピニオン外来も行っている。
・我が国の周産期医療を充実させるために、日本周産期・新生児医学会において周産期専門医(母体・胎児)専門医制度を立ち上げ、初代試験委員長として全国に多数の周産期専門医を育成してきた。
・我が国の妊産婦死亡の最大の原因である分娩時大量出血に対応する「産科危機的出血対応ガイドライン」を関連5学会代表し作成し、周産期医療を向上させた。
・近年問題となっているいわゆるカンガルーケアの事故対策として、「早期母子接触の留意点」を委員長として作成し、全国に普及活動を行っている。
・2012年10年ぶりの母子手帳の改正を行い、妊婦にやさしい母子手帳を作成した。
・今後の新しい妊婦健診を確立するためのメンタルヘルスを中心とした研究し、世界でも稀有なデータベースを構築した。
・妊婦に必要ではあるが使用できない各種薬剤の適応を獲得し、全国の母子に還元してきた。
・日本産科麻酔科学会の幹事として、我が国に欧米型の無痛分娩(自然分娩の無痛分娩)を成育医療センターに導入した。                             
・東日本大震災時には周産期医療に必要な東北3県の支援活動を行い、母子に必要な各種行政通達を関係部署を連携させることによって作成した。このことによって、被災地内あるいは被災地から避難した妊婦、新生児の医療を確保した。
・「未熟児医療が僕の原点のため、赤ちゃんが怖がる白衣は着ないのがポリシーです。外来でも、病棟でも白衣を着ていませんので驚かないように」(久保医師)

診療内容

久保医師が産科医長を務めた同センターでは、常にハイリスク妊産婦や胎児、新生児を受け入れ、適切な医療を提供できるような体制をとり、合併症妊娠・重症妊娠高血圧症候群・切迫早産・胎児異常といったリスクの高いケースへの対応に万全を期して行ってきた。現在は一次産科施設である代田産婦人科の名誉院長として地域医療に従事している。セカンドオピニオン外来は継続している。
久保医師は、重症管理妊産婦や妊産婦死亡数のデータ分析、全国の周産期医療データベースを30年以上前から日本産科婦人科学会周産期委員会で行うなど積極的に研究を重ねている。その結果をハイリスク分娩の対応に反映させるとともに、我が国の周産期医療システムの改革や行政の対応など、広く抜本的な取り組みが必要であると訴えてきた。
また、同センターの特長の一つに、久保医師が世界で初めて考案した「胎児カルテ」がある。完全ペーパーレスの電子カルテを導入するにあたって、産科では胎児も「一人の人間として赤ちゃんの存在を認識する」という考えに基づき、おなかの中にいる時から健康管理できるよう胎児独自のカルテ作成を始めたものである。
安全な医療の提供など実際の診療の上で効果を発揮するばかりでなく、この試みが二人以上のカルテを同時管理できる技術へと発展した。
胎児カルテは、一生涯カルテとして使うことができ、成長してから他の診療科にかかった時も使用できるようになっている。
また、妊産婦それぞれがリスクを自己確認できる「妊娠リスクチェック」を開発し、安心安全な出産を迎えられるよう、啓蒙活動を続けている。
久保医師は「お産の約9割は、問題なく自然に生まれてきます。リスクの低い妊婦さんに関しては、一人の医師で対応できます。でも、お産のリスクはゼロではない。ローリスクであってもノーリスクじゃない。そのことをしっかり認識してほしいのです」と語っている。

医師プロフィール

1979年3月 岡山大学卒業、聖隷浜松病院未熟児センター新生児科研修医
1981年4月 高知医科大学産科婦人科助手、NICU責任者、その後、外来医長、病棟医長、医局長、講師、助教授、周産母子センター副部長
1999年5月 国立大蔵病院産科医長
2002年3月 国立成育医療センター周産期診療部 産科医長
2011年4月 独立行政法人国立成育医療研究センタ-周産期母性診療センタ- 産科医長
2015年4月 医療法人社団シロタクリニック代田産婦人科名誉院長