佐々木春明 医師 (ささきはるあき)

昭和大学藤が丘病院

神奈川県横浜市青葉区藤が丘1-30

  • 泌尿器科
  • 副院長
  • 教授

泌尿器科

専門

ED、男性更年期障害

佐々木春明

日本性機能学会専門医として、ED診療ガイドライン作成委員に名を連ねたり、世界男性更年期障害学会ほか国際学会にも多数参加したりするなど、男性機能障害分野の先駆的ドクターといえる。現在は昭和大学藤が丘病院の泌尿器科にて診療科長として診療をおこなっているが、男性機能障害については他の医療機関からの紹介も多く、その診断や治療に関しては絶大な信頼を寄せられている。EDについて正しい知識を広く知ってもらおうと、メディア出演や講演活動なども積極的におこなっている。

診療内容

EDというと、歳だからしかたがないとか、性にも興味がなくなってきたから別に関係ない、などと考える人が多いが、実はそこには大きな危険が隠されているケースも少なくないと佐々木医師は語る。
「性機能障害の検査で陰茎の血流検査をすると、血流が悪く動脈硬化が進んでいるというケースがかなりあります。これは陰茎の血管は直径が1~2ミリと細く、人間の体の中でも動脈硬化の影響が出やすい部分だからだと考えられます。ようするに、EDになっている人は心血管疾患にかかる確率が高く、心筋梗塞や脳梗塞になる危険性があるということです」
実際にアメリカでの調査では、性機能障害がある人は、ない人に比べて心筋梗塞を起こす割合が1.8倍高かったという調査報告がされている。そのためEDを発症した場合は、動脈硬化や心疾患などの検査をおこなうことを勧めると佐々木医師は言う。そしてEDを発症する人は近年になって増えており、年齢も必ずしも高齢とは限らないのが特徴だそうだ。
「実際に受診されるED患者さんは、30代後半から40代前半あたりの若い世代も少なくありません。そして、もちろん50代後半から60代前半にかけての世代も受診されます。この2つの世代が多いです。しかし、日本ではEDの受診率はまだまだ低いのが現状で、全体の9%程度だと推計されています。さきほどお話しした心血管疾患のリスクもありますので、ぜひ受診して検査を受けて欲しいと思うのと同時に、受診しやすい体制もつくらなければと思います」(佐々木医師)
同院を訪れる患者を検査しても、中高年層の場合、EDの症状があれば多くは血糖や血中脂質、血圧に異常が認められるという。動脈の硬さを調べても、同年齢の平均よりも硬くなっているそうだ。では、そもそもEDはどうして起こるのだろうか。
「原因はさまざまで、生活習慣病や不規則な生活スタイル、睡眠不足、食事内容、運動不足、うつ病などの精神疾患、過度のストレス、性欲のなさなどが考えられます。問診や検査などを重ねて原因を探り、診断と治療方針を決定していくのですが、現在多く使われているのがPDE5阻害剤による治療です。錠剤の飲み薬で、使いやすいこともあり、ED治療を大きく進歩させた薬と言えます」(佐々木医師)
しかし、PDE5阻害剤について誤解されていることが多いと、佐々木医師は言う。
「PDE5阻害剤のことを勃起を起こす薬だと思っている人が多いのですが、これは間違いです。勃起を助ける薬です。たとえば性欲もわいていないのに勃起することはありません。また薬が効いている間、ずっと興奮し続けるわけでもありません」
PDE5阻害剤のよいところは、心因性のEDであっても、マスターベーションが可能であれば、神経や血管は反応するため、効果が期待できるということだ。佐々木医師によれば、薬を使うことで何度か成功して不安が消えると、心因性EDは完治することが多いという。さらに、現在は3種類のPDE5阻害剤があり、患者の生活にあわせて選ぶのが一般的になってきている。
「今では食事の制限がないタイプもあり、飲酒もリラックスできる程度であれば問題ありません。薬の効果も36時間程度と長くなっています」
このようにED治療は以前に比べて格段の進歩をとげている。それらを含めて正しいEDの知識を知っていただきたいと、佐々木医師は語る。

医師プロフィール

1986年3月 昭和大学医学部 卒業
2007年4月 昭和大学藤が丘病院泌尿器科准教授
2012年6月 昭和大学藤が丘病院泌尿器科 教授