荒川創一 医師 (あらかわそういち)

神戸大学医学部附属病院

兵庫県神戸市中央区楠町7-5-2

  • 泌尿器科

泌尿器科 性病科

専門

尿路性器感染症、ED(性機能障害)、骨盤臓器脱

荒川創一

荒川創一医師は、感染制御部長として大学病院に勤務するかたわら、兵庫県下にある地域病院の感染対策チームの支援にも尽力する感染制御学のスペシャリスト。クラミジア感染症をはじめとする5類感染症だけでなく、感染症全般に精通する。泌尿器科、感染症、感染制御などに関連する学会の役員を務め、この分野の研究・発展に貢献している。また増加傾向にある性感染症に対する正しい知識を若い世代に広めようと、高校生への性感染症教育授業の実施や一般向けの講演をおこなうなど、その手腕と活動に対する期待は大きい。

診療内容

性感染症とは一般に性病とも呼ばれているもので、性行為あるいはその類似行為によって感染する疾患のことを指す。その数はおよそ30種類ほどあり、中でも特に注意してほしいものがあると荒川医師は言う。
「クラミジア、性器ヘルペス、淋菌感染症、尖圭コンジローマ、梅毒の5種です。これらは感染症法の5類感染症に入っています。感染数も多くて、症例があった場合には、梅毒はすべての医療施設から、他の4種は性感染症定点に指名された医療施設からの報告が義務付けられています」
男性も当然だが、特に若い女性には軽く考えず危機感を持って対処して欲しいと荒川医師は言う。
「なぜかと言えば、たかが性感染症だと思い油断していると、不妊症の原因にもなってしまうからです。病状が進行していくと、卵管から骨盤のほうに病原体があがり、骨盤内炎症性疾患を引き起こしてしまうケースがあります。それが不妊症の原因になりかねないわけです」
性感染症には自覚症状があまりないものもあり、よけいに軽視しがちである。しかし、そのままにしておくと、セックスパートナーへの感染伝播や病状の進行など、しっぺ返しが大きいのが性感染症なのである。
「特に増加しているクラミジア感染症は、男性で2人に1人、女性で5人に1人しか自覚症状を持ちません。そのため気づかないうちにセックスパートナーに感染させてしまうケースが非常に多いのです」(荒川医師)
近ごろは性感染症の低年齢化も叫ばれており、実際に患者数も増えている。性行為の低年齢化、性行為の多様化、コンドームを使わない性行為などが拍車をかけているのだろうと荒川医師は推測する。この流れはもう止められないのだろうか。
「性感染症対策でもっとも重要な点は、若い人たちに性感染症の正しい知識を与え、自ら予防することがいかに大切かということを伝えることです。それには教育現場での取り込みが必要です。我々のような医療従事者が教育現場の養護教諭の先生方と協力体制を組み、性に目覚める年代から性感染症予防の正しい知識を与えていくのが一番だと思います」(荒川医師)
病院にやってきた患者を診て治療するだけではなく、感染を未然に防ぐにはどうしたらよいのか、専門家の立場として精力的に活動する荒川医師の今後の動きに注目したい。

医師プロフィール

1978年3月 鹿児島大学医学部 卒業
1993年7月 神戸大学医学部泌尿器科助教授
(1994年4月~1995年8月 ドイツ・ビッテンヘルデッケ大学泌尿器科客員医師)
1999年6月 神戸大学医学部附属病院感染制御部長(現在に至る)
2002年7月 神戸大学医学部附属病院手術部長(准教授)
2010年2月 神戸大学大学院医学研究科腎泌尿器科学分野特命教授(現在に至る)