河野雄平 医師 (かわのゆうへい)

杉循環器科内科病院

福岡県大牟田市大字田隈950-1

  • 循環器内科・内科
  • 帝京大学福岡医療技術学部教授 医療技術学科長

腎臓内科 内科 循環器科

専門

高血圧、腎臓病、循環器病。特に高血圧の薬物および非薬物治療、血圧変動、血圧の神経性調節

河野雄平

「高血圧はありふれた病気ですが、循環器病の最大の危険因子であり、適切な診断と治療は重要です」と話す河野雄平医師。日本高血圧学会の理事及び減塩委員会委員長を務め、国内の高血圧治療を牽引する存在である。高血圧・腎臓科は、家庭血圧や24時間血圧を取り入れた診療を行う日本の代表的な施設のひとつであり、二次性高血圧や重症高血圧の診療にも多くの経験を有する。また、降圧薬や非薬物療法(体重減量、食塩制限、運動など)が血圧や心臓血管に及ぼす影響などの臨床研究も実施している。なお、2013年10月に、第36回日本高血圧学会総会の会長として大阪で学会を開催する予定。

診療内容

高血圧治療の目的は、高血圧によって起こる脳卒中、心不全、狭心症、心筋梗塞、腎障害、大動脈瘤、下肢の動脈閉塞など心血管疾患の予防である。同科高血圧グループは、日本高血圧学会の評議員および専門医で構成されており、血圧値や動脈硬化などを詳細に評価し、個々の患者に最適な治療を目指している。
同グループでは、高血圧の治療として、生活習慣修正(非薬物療法)、降圧薬治療(24時間血圧のコントロール)、腎血管性高血圧へのカテーテル治療(放射線科との連携)、高血圧緊急症への降圧薬持続静注療法を実施。「このうち、生活習慣の修正は、高血圧の基本的な治療法として重要となります。また、正常血圧の人も、生活習慣を修正すれば、高血圧予防が可能になります」と同科部長の河野医師は話す。
生活習慣修正の基本は、食塩制限、野菜・果物や魚の積極的摂取、コレステロールや飽和脂肪(動物性脂肪)の制限、減量、運動、アルコール制限、禁煙である。日本高血圧学会の減塩委員会委員長も務めている河野医師は、日本人の食塩摂取量に警鐘を鳴らす。「日本人の食塩摂取量の平均は1日10gを超えていますが、推奨される1日の食塩摂取量は、高血圧や腎臓病の人は6g未満です。健康な人でも、高血圧の予防のためには6g未満が望まれます」(河野医師)
河野医師によれば、血圧への効果は個人差があるものの、1g減らせば1mmHg程度下がるという。また、食塩制限については、塩や醤油など塩分の多い調味料を少なくするほか、加工食品や外食に注意することが必要になる。さらに、飲酒・喫煙の効果については以下のように説明する。
「飲酒は一時的に血圧を下げることもありますが、長期間続けると血圧を挙げて高血圧の原因になるため、節酒が必要となります。しかし、少量飲酒には心筋梗塞などの予防効果が期待できますので、飲酒を止める必要はありません。喫煙は動脈硬化をもたらし、喫煙により血圧も上昇するため、禁煙が非常に重要です。喫煙者は非喫煙者の循環器病、がん、死亡率が高く、禁煙によりこれらのリスクが低減されます」
このような生活習慣の修正は大切だが、効果が比較的小さく、継続が難しいことから、高血圧患者の大半には薬物治療が必要となるという。降圧薬には、カルシウム拮抗薬、アンジオテンシン受容身体拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、利尿薬、ベータ遮断薬の投与が奨められており、アルファ遮断薬も併用薬として使用される。「血圧が高い場合は毎日継続して薬を飲めば、循環器病の予防も可能です。また、降圧薬の副作用は少なく、重篤なものはほとんどないため、効果を考えると薬を飲まないほうが問題だといえます」(河野医師)

医師プロフィール

1974年3月 九州大学医学部 卒業
1974年4月 九州大学医学部第2内科入局
1976年4月 九州大学医学部第2内科医員(高血圧研究室所属)
1981年7月 九州大学医学部第2内科助手(高血圧研究室所属)
1982年2月 米国クリーブランドクリニック心血管研究部門研究員
1985年4月 国立循環器病センター内科高血圧腎臓部門医員
1987年4月 国立循環器病センター内科高血圧腎臓部門医長
2001年1月 国立循環器病センター内科高血圧腎臓部門 部長
2010年4月 独立行政法人国立循環器病研究センター生活習慣病部門長、高血圧・腎臓科部長
2015年4月 帝京大学福岡医療技術学部 医療技術学科長/教授(内科学)

(併任)
2001年~ 九州大学大学院医学研究院病態機能内科学非常勤講師
2002年~ 関西医科大学臨床検査医学非常勤講師

「高血圧」を専門とする医師