渡辺尚彦 医師 (わたなべよしひこ)

東京女子医科大学東医療センター

東京都荒川区西尾久2-1-10

  • 内科
  • 教授

内科 循環器科 腎臓内科

専門

高血圧を中心とした循環器疾患全般。減塩指導、時間療法も行う

渡辺尚彦

渡辺尚彦医師は、ミスター血圧の異名を持つ高血圧治療の名医。徹底的な減塩指導で知られ、全国から患者が訪れている。降圧薬を飲むタイミングを変えて降圧を促す「時間療法」を指導する、全国でも数少ない医師であり、「渡辺式反復一週間減塩法」「渡辺式合谷指圧」「渡辺式ふくらはぎパンパン法」など、誰もが気軽にできる降圧法も開発する。降圧生活をサポートするための調査・研究も精力的に実施し、1987年8月から自ら連続携帯型血圧計を装着して24時間血圧を測定し続け、現在も記録更新中である。書籍やテレビでのわかりやすい解説にも定評がある。

診療内容

渡辺医師は、1987年の8月22日から現在まで、30年以上にわたって血圧計を24時間装着し続ける記録を持つ。自らの体験や調査・研究に基づいた降圧治療で知られ、全国から患者が訪れている。

渡辺医師による治療の特徴の1つは、徹底した減塩指導だ。そのメリットは、次第に味覚が変わり、外食がしょっぱく感じるようになる、つまり味覚が変わることにある。「減塩を続けると、少ししょっぱい程度の料理でも味が濃いと感じるようになります。味覚が繊細になるのです。塩分を減らすのは当然ながら、濃い味付けになじんだ味覚を戻すことが肝心です」と渡辺医師は話す。実際に、塩分を1日20g以上摂取して、何にでもマヨネーズをかけていた“マヨラー”の患者も、渡辺医師の指導で1日1gまで減らすことができたという。

指導にあたっては、まずはすべての患者に血圧計を装着してもらい、1週間ほど24時間血圧を測定することから始める。24時間血圧の平均値が130/80mmHg以上であれば、何らかのアクションを起こすのが基本だ。渡辺医師が診察する患者のほとんどは、一生懸命に生活習慣改善に取り組んでいるという。「その理由は、薬を飲みたくないから。薬を飲むか、減塩するか、二者択一なら薬を飲む方が簡単です。減塩は薬と違い、あまりお金がかかりませんが手間がかかります。しかし、減塩を続けることで、薬を飲まなくて済むようになる人もいます」(渡辺医師)。

渡辺医師が特に力を入れて取り組むのが「時間療法」だ。時間療法とは、薬を飲む時間を変えること。同じ薬でも、起床時、3時間後、6時間後、9時間後、12時間後、15時間後、就寝前、と飲むタイミングを7通り試すと、すべて降圧効果が違ってくるという。人によっていつ飲めば効果が高いかが異なるため、まさにテーラーメードの治療だ。「極端な例では、同じ人が同じ薬を飲んでも、飲むタイミングが違うだけで24時間血圧の平均値が14mmHgも違うこともあります。私の恩師ミネソタ大学のフランツ・ハルバーグ教授は、“時間治療をしないのはもはや犯罪である”と話していました。」(渡辺医師)。時間療法を試みる医師はまだ少ない。海外にも時間療法を行う医師はいるが、起床時・就寝前の2通りしか行っていない場合が多く、渡辺医師の実績とは雲泥の差がある。

その他にも、渡辺医師は独自の降圧法を開発している。その一つが「合谷(ごうこく)指圧法」。合谷とは、手ひらの人差し指・親指の間の三角地帯にあるツボ。ここを押すと上半身の血管が拡張し、血流が良くなって表面温度が約1℃上がるという。肩こりにも効くツボだが、降圧効果もある。「合谷をぎゅっと押した時は血圧が上がりますが、次第に下がってきます。1カ月間、毎日合谷を押した人の24時間血圧が、4mmHg下がった例もあります」。
この他、渡辺医師は、海や小川、夏の虫声など、自然が奏でる音を聞いて血圧を下げる取り組みも行っている。音楽を聞いてリラックスする効果があるとはよく言われるが、音で血圧を下げる試みは珍しく、誰でも気軽に実践できるのがうれしい降圧法だ。

医師プロフィール

1978年 聖マリアンナ医科大学医学部卒業
1984年 同大学院博士課程修了
1995年 ミネソタ大学時間生物学研究所客員助教授
2004年~早稲田大学客員教授
2012年~日本歯科大学病院臨床教授
2012年 東京女子医科大学東医療センター内科准教授
2015年より現職

「高血圧」を専門とする医師