久留一郎 医師 (ひさとめいちろう)

鳥取大学医学部附属病院

鳥取県米子市西町36-1

  • 教授 (再生医療学部門)

内分泌科・糖尿病 循環器科 内科

専門

高尿酸血症、痛風、高血圧診療ならびに再生医療

久留一郎

大学時代に学んだ生化学の分野に興味を持ち、尿酸代謝について学ぶ。低尿酸血症の解析に始まり、家族性低尿酸血症の尿酸代謝についての研究を開始。米国ノースウェスタン大学、米国ペンシルバニア大学で最新の心臓と尿酸代謝の研究を行なった後、鳥取大学医学部准教授を経て再生医療学部門の教授へ着任し現在に至るまで30年近くに渡り尿酸代謝についての様々な研究を行ってきた。特に高血圧等の生活習慣病と合併する高尿酸血症・痛風の治療が詳しく高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインや高血圧診療ガイドラインの執筆委員等を務めている。現在は尿酸代謝の研究をさらに進めヒトiPS細胞作成等の発生生物学を用いた方法論などを尿酸・プリン代謝に応用した研究を臨床と並行して行っている。

診療内容

痛風は一般的には血中の尿酸値が高くなる高尿酸血症が原因で、関節に尿酸結晶が形成されることで発症する。高尿酸血症は体内で尿酸が合成される尿酸クリアランス検査を行い、一日尿酸排泄量を調べ、プリン体過剰摂取を含む産生過剰型か腎臓からの排泄低下型の判断が痛風治療の第一歩であり、病型に則した尿酸コントロール薬を使用する。高尿酸血症は生活習慣病に合併しやすく、特に高血圧患者の2割から3割は高尿酸血症・痛風を合併するが、その原因として腎臓からの排泄低下型に加えて筋肉で尿酸の基が出来る筋原性高尿酸血症がある。最近高血圧に合併する高尿酸血症が動脈硬化などの臓器合併症のリスクとなることが注目されている。通常尿酸はURAT1と呼ばれる尿酸トランスポーターにより近位尿細管で多く(約90%)が尿中から回収されるが、URAT1が腎臓以外の臓器、特に血管や脂肪に存在し、その過剰な働きが臓器合併症を起こす。さらに活性酸素を作る酵素であるキサンチン酸化酵素の過剰な働きも合併症に関連する。そこで、久留医師らは高血圧などの生活習慣病を合併する高尿酸血症(血清尿酸値が7mg/dlを超えると高尿酸血症と診断される)では臓器合併症の予防のために血清尿酸値が8mg/dl以上からその治療を考慮し、コントロール目標は6mg/dl以下をめざすという尿酸を6・7・8のルールでコントロールすることを高血圧治療ガイドライン2009や高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン2010に執筆している。
これとは逆に、URAT1と呼ばれる尿酸トランスポーターの機能低下により血中の尿酸値が低い低尿酸血症(2mg/dl以下)が臓器障害の原因となっている場合があると久留医師はいう。久留医師らは低尿酸血症の患者を調査すると尿路結石症と運動後の急性腎不全が多く発症することを見つけた。そのため、低尿酸血症の人では合併症の有無を検査し、必要ならば遺伝子診断を行いその危険性を精査することが大切である。

医師プロフィール

1985年4月 公立香住病院内科医長
1986年1月 鳥取大学医学部附属病院医員
1986年11月 米国ノースウェスタン大学医学校内科循環器科研究員
1988年10月 鳥取大学助手医学部
1993年6月 米国ペンシルバニア大学分子内科研究員
1996年4月 鳥取大学医学部講師
1998年4月 鳥取大学医学部助教授
2003年4月 鳥取大学大学院医学系研究科機能再生医科学専攻 教授 (遺伝子再生医療学講座 再生医療学部門)
2003年4月 鳥取大学大学院医学系研究科機能再生医科学専攻 専攻長(併任)

「高血圧」を専門とする医師