栗山哲 医師 (くりやまさとる)

東京慈恵会医科大学附属病院

東京都港区西新橋3-19-18

  • 腎臓内科
  • 教授

腎臓内科 内科

専門

高血圧、慢性腎臓病、透析療法、糖尿病性腎症

栗山哲

三大腎疾患といわれる糖尿病性腎症、慢性腎炎、腎硬化症のスペシャリスト。これらは徐々に進行し、最終的に透析に至るものの、早期発見と進行を遅延化させる治療戦略が非常に重要であり、集学的に進行抑制を図る栗山医師の治療は高く評価されている。透析に至った場合、血液透析と腹膜透析のどちらを選択するかは患者のライフスタイルを重視して決める。栗山医師が属する同院での腹膜透析の選択率は20%と全国平均より遥かに高い。最近は血液透析と腹膜透析の併用療法も増加している。

診療内容

栗山哲医師は、3大腎疾患といわれる「糖尿病性腎症」「慢性腎炎」「腎硬化症」などの名医として知られている。
糖尿病性腎症は、その名の通り、糖尿病の合併症の1つだ。日本の糖尿病患者は予備軍も含めると推定1,620万人。その約30%は糖尿病腎症を合併しさらに糖尿病患者の10人に1人は腎不全にまで至ると推定されている。慢性腎炎は、1997年までは透析の原因疾患第1位だった疾患。一般的には若い人の病気であるため心血管の合併症が少なく、長期生存者が多いのが特徴である。
腎硬化症は高齢者の病気で、高血圧、高脂血症などの生活習慣病が原因となって起こり、全身の血管に動脈硬化を起こして腎不全に至る。高齢化が進む昨今、増え続けている。これらの腎疾患は徐々に進行し、最終的には透析に至るものの、早期に発見し、進行を遅延化させる治療戦略は非常に重要だ。
栗山医師は、たとえば糖尿病性腎症には、AII受容体拮抗薬(ARB)やACE阻害薬による降圧療法や低塩・低蛋白食を、さらには腎性貧血に対するESA治療などで集学的に進行抑制を図る。ついに透析に至った場合には、血液透析(HD)、腹膜透析(PD)の選択は、各自のライフスタイルを重視する。血液透析は、病院で行う透析だ。透析を行う機械に血液を循環させて、血液を浄化する。週3回程度、透析を行う医療機関に通院し、専門のスタッフによって1回4~5時間かけて行う必要がある。一方、腹膜透析は在宅で行う透析だ。患者自身の体の中にある腹膜を利用して、24時間連続的に行う。血液透析に比較して通院して時間的に拘束されることが少なく、職場や学校と両立させたい人に向いている。透析液交換は1日4回だが、自宅や勤務先で自分のスケジュールでできる。通院は月1回程度。血液透析に比べ、食事制限がゆるいなど、メリットは大きいが、日本では、血液透析が約95%を占め、腹膜透析はわずか約4%程度しか普及していない。これは国際的に見ても極端に低い割合だ。ちなみに、腎移植数は日本では年間1,200名前後で、0.5%程度である。ライフスタイル等に合せて、透析の選択肢があるかどうかは、患者本位の医療を図る大きな目安ともいえる。最近では血液透析と腹膜透析の併用療法も増加している。本法は、日本独特の治療法であり、通常、週6日は腹膜透析を、1日は血液透析を行うというもの。同院では患者の約20%が併用療法を行っている。また、透析患者の5年生存率は非糖尿病で80%、糖尿病性で40%。内シャント再健術は他院からの依頼も多い。
「診療の説明と同意を実行する場合、透析療法の選択などは医学の専門性や患者個人の生活特性も加味する必要があることから、決断が極めて難しい状況が多々あります。その様な時に、私は説明の中に医師主導のパターナリズム(父親的導きや教え)を意識して導入する事にしています。例えば、高齢の男性に対しては「僕の父親ならこうする」あるいは若い女性に対しては「僕の娘ならこうする」といった状況を患者サイドに立った見地で、なお且つ医学主導を貫く見地でアドバイスをする方法です。これは確固たる信頼が存在しないと成立しない手法ですが、逆に普段からそれらが成就する様に円滑な人間関係の構築には気をつけています」(栗山医師)

医師プロフィール

1978年 3月 東京慈恵会医科大学卒業
1984年10月 米国New Jersey医科大学高血圧研究部門に海外留学
1985年 4月 医学博士受領(宮原 正教授に師事、詳細は下記)
1986年 8月 米国留学より帰国、東京慈恵会医科大学第二内科学教室助手
1991年 4月 東京慈恵会医科大学第二内科講師
1992年 4月 東京都済生会中央病院内科医長
1993年 4月 東京都済生会中央病院内科部長、現在に至る

1998年 4月 東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科講師(教室改名により)
1999年12月 東京慈恵会医科大学腎・高血圧内科・准教授
2007年12月 東京慈恵会医科大学腎・高血圧内科・客員教授 現在に至る