三羽邦久 医師 (みわくにひさ)

ミワ内科クリニック

富山県富山市新富町1-4-3 三羽ビル2F

  • 内科・循環器内科
  • 院長

内科 循環器科

専門

慢性疲労症候群、循環器関連疾患をはじめとした内科疾患

三羽邦久

三羽邦久医師は元々狭心症が専門。生活習慣病が得意分野であり、禁煙指導など生活習慣の改善指導に熱心に取り組んできた。総合内科で数多くの患者を診る中で、ストレスの多い現代社会で慢性疲労に悩む人が多い事に気づき、診療と研究にとりくむ。慢性疲労症候群患者では小心臓(スモールハート)者が多いことを世界で初めて見出し、国際論文として2008年に発表した。慢性疲労症候群と循環器異常との関連について学会発表や講演活動を行う。2010年開業し、地域診療のかたわら、慢性疲労症候群の治療に尽力する。

診療内容

ストレス過多の現代社会で徐々に患者数が増加してきている慢性疲労症候群は、若年者を中心に多くの人を苦しめている重要な健康問題。疲れの原因がはっきりしている慢性疲労と区別され、原因不明の激しい疲労感が長期にわたって持続または繰り返し起こり、休息や睡眠をとっても十分な回復が得られない時に疑われる。疲労のため、職場や学校へ行っても、集中力が低下し何もできなかったり、さっき言われた事をすぐ忘れてしまったりといった短期記憶障害なども引き起こす。家に帰るとただ寝ているだけという状態になりがちで、やる気はあるのに体が重く、咽頭痛、筋肉痛、関節痛、頭痛、睡眠障害などもしばしば伴う。労作後消耗感が遷延するのが特徴であり、身体活動だけでなく頭脳活動も極度に低下してしまう(Brain fog 現象)。「慢性疲労症候群」という病名では、普通の人がちょっと疲れた程度にしか認識してもらえず、身動きするのもやっとの状態が理解してもらえないことも多い。うつ病とは区別されるが、気分が楽しくないことから、悪化するとしばしば「うつ病」を合併する。
慢性疲労症候群の場合、受診し検査などを受けても、貧血や心臓病、肝臓病、甲状腺疾患などの基礎疾患がなく、「異常なし」とされてしまうこともある。体質的異常(冷え性、内臓下垂体質、立ちくらみ、低血圧など)、自律神経障害、ウイルスの潜伏感染、代謝性異常、酸化ストレス、睡眠異常などを含めた脳生理学的諸問題など複雑な要因が関係していると言われており、最近では筋痛性脳脊髄炎に伴う中枢神経系の機能調節異常が原因として提唱されている。詳細な病因の究明、治療法の確立が待たれている。現在、どの患者にも有効な治療法は見つかっていない。薬物治療、運動療法などを含めた、各個人の体質に合わせた治療法が工夫される必要がある。体質の改善には時間もかかるが、慢性疲労に悩んでいる患者は是非一度、専門医に相談を。
慢性疲労症候群の発症年齢は40歳以下の若年者が多く、男性より女性に多い。なんとか働けるレベルから寝たきりに近い状態まで、重症度は様々である。1999年に厚生省が行った疲労の実態調査によれば、国民の3分の1が半年以上続く慢性的な疲労を感じ、慢性疲労症候群の診断基準に合致する人も、就業可能人口の0.3%に認められ、現在ではさらに増加しているものと思われる。発症のきっかけは、過労、引越しや就職、環境の変化、精神的ストレスの増加などさまざまである。
「患者は頑張りすぎず、十分に休養をとることが何よりも必要です。患者は疲労のみならず、いろいろな症状を抱えており、休みを上手に取るには周囲の理解が必要です。「みんな頑張っているのに」「どうしてあなただけできないの」は禁句なのです。慢性疲労症候群は個人だけの問題ではなく、職場、学校など社会全体の問題でもあると周囲が心得ることも重要です。「慢性疲労症候群」の診断基準では多くの軽症例が含まれてしまい、重症例が軽症例と同じように扱われてしまうこともあり、問題になっています。また明らかな精神科疾患例(心の問題、特にうつ病)が多数、紛れ込んでしまう、と言った問題点が指摘されています。いまだ理解度が低いこの疾患について、今後も問題意識を強め、積極的に取り組んで行きたいと思います」と三羽医師は話す。
最近、慢性疲労症候群の原因として、筋痛性能脊髄炎に伴う中枢神経系の機能異常が提唱され、国際委員会から診断基準が発表され、また、この病気についての医療従事者向けの手引書も公表された。院長の三羽医師は、13ヶ国26人から構成されるこの委員会のメンバーとして、日本から唯一人、また、循環器専門家として唯一人、選出されている。最近の調査では本疾患者の約25%が寝たきりに近い生活を余儀なくされている。
また、小心症候群(“Small heart syndrome”)は、1944 年に Master によって若年者の神経循環無力症として提唱されたものである。小心症候群の患者は胸部X 線上、心陰影が小さく、倦怠感、易疲労感、動悸、呼吸、困難、ふらつきなどの症状を特徴を持つが、これらの症状の多くは慢性疲労症候群と共通する。慢性疲労症候群患者では 胸部Ⅹ線写真上、“Small heart”が高頻度に認められる。Small heart の同患者では、実際、左室径は小さく、低心拍出量である。小心症候群が疲労しやすい体質的因子として、低心拍出量を伴って慢性疲労症候群の病因に関与している可能性がある。Small heartに病的意義を認める必要がある。このため、小心症候群と慢性疲労症候群の関連性についての研究に関しても、今後も積極的に取り組んでいく所存である。

【最近の研究成果】
本疾患の重要な症状として起立不耐症(立位を維持することが困難なこと)があり、これが日常生活をきびしく妨げています。起立不耐症の原因として、立位時における脳血流の低下と、脳血流維持のための反射性の交感神経の過剰興奮が考えられてきました。実際、立位時に体位性起立頻拍、起立性低血圧や神経調節性低血圧がしばしば認められます。しかし、最近になってこのような循環器的異常ばかりでなく、神経学的異常も関係することが明らかになってきました。ロンベルグ試験陽性(両足を合わせた立位で閉眼するとバランスを崩して倒れてしまう)、片足立ち不能、継ぎ足歩行不安定といった平衡障害の所見がしばしば認められ、重症兆候としてみなしうることが判明しました。実際、暗闇ではすぐに転びそうになると訴える人もいます。神経の病気としてもしっかり認識する必要があります。

医師プロフィール

1975年3月 京都大学医学部大学院 卒業
1985年9月 米国シンシナティ大学薬理細胞生理学講座研究員
1999年2月 京都大学循環病態学講座講師
2002年6月 三重県大王町国民健康保険病院院長
2004年2月 浜松労災病院内科部長
2010年6月 ミワ内科クリニック開業