松本美富士 医師 (まつもとよしふじ)

桑名東医療センター

三重県桑名市寿町3-11

  • 内科・リウマチ科
  • 顧問

内科 リウマチ科

専門

膠原病、リウマチ性疾患、慢性疲労症候群、線維筋痛症

松本美富士

松本美富士医師はリウマチ内科医として豊富な経験を持ち、膠原病、リウマチ性疾患、及び慢性疲労症候群(CFS)とその関連疾患の線維筋痛症(FM)等のスペシャリスト。なかでも、専門医が少なく診断が難しいCFSや、全身の激しい慢性疼痛を訴えるFMに対しては、長い間、診療と研究に力を注いできた。専門学会の理事を歴任、2011年度には、厚生労働省のCFSに関する研究分担者、FMの研究班の研究代表者も務めており、CFSやFMに関連した臨床研究を積極的に行っている。

診療内容

慢性疲労症候群(Chronic Fatigue Syndrome: CFS)は、ある日原因不明の激しい疲労感に襲われ、微熱、頭痛、脱力感、抑うつ等の精神神経症状などが長期にわたって続き、QOL(生活の質)を著しく損なう疾患であり、診断が極めて難しい。2006年、日本疲労学会に慢性疲労症候群診断基準改定委員会(松本医師も構成メンバー)が発足。慢性的な疲労を訴える患者を診療する際の診断手順を示した診断指針を取りまとめ、慢性疲労症候群診断指針が発表された。
CFSに関しては、以下の前提I~IIIに従って6ヵ月以上持続する原因不明の全身倦怠感を訴える患者に対し、臨床症候を十分吟味検討し、判断する。前提I、II、IIIすべてを満たしたときに臨床症候からCFSと判断し、すべてを満たすわけではないが原因不明の疲労病態がある場合には、特発性慢性疲労(Idiopathic Chronic Fatigue:ICF)と診断して経過観察を行う。
前提I:1. 病歴、身体所見、臨床検査を精確に行い、慢性疲労を来たす疾患を除外する。2. A) 下記疾患に関しては、当該疾患が改善され、慢性疲労との因果関係が明確になるまで、CFSの診断を保留にして経過を十分観察する。1) 治療薬長期服用者(抗アレルギー剤、降圧剤、睡眠薬など)、2) 肥満(BMI>40)、B)下記の疾患については併存疾患として取り扱う。1)気分障害(双極性障害、精神病性うつ病を除く)、身体表現性障害、不安障害、2)線維筋痛症。
前提II:以上の検索によっても慢性疲労の原因が不明で、しかも下記の4項目を満たす。1) この全身倦怠感は新しく発症したものであり、急激に始まった、2) 十分な休養を取っても回復しない、3)現在行っている仕事や生活習慣のせいではない、4) 日常の生活活動が、発症前に比べて50%以下となっている、あるいは疲労感のため、月に数日は社会生活や仕事ができず休んでいる。
前提III:以下の自覚症状と他覚的所見10項目のうち5項目以上を認めるとき。1) 労作後疲労感(労作後休んでも24時間以上続く)、2) 筋肉痛、3) 多発性関節痛、腫脹はない、4) 頭痛、5) 咽頭痛、6) 睡眠障害(不眠、過眠、睡眠相遅延)、7) 思考力・集中力低下。以下の他覚的所見は、医師が少なくとも1ヵ月以上の間隔をおいて2回認めること。8) 微熱、9) 頚部リンパ節腫脹(明らかに病的腫脹と考えられる場合)、10) 低下。
一方、CFSの関連疾患であるFMは上記CFSの特徴のなかで、全身の慢性疼痛(3ヵ月以上にわたる)が前面に現れた状態であり、しばしば身体の各所に圧迫により痛みを自覚したり、触るだけで強い痛み(アロディニア)を感じるたりすることがある。

慢性疲労症候群の治療では、原因不明のため根治療法はなく、EBM(根拠に基づく医療)による治療は困難である。一般には対症療法的に薬物療法や薬物によらない治療、生活指導に力点が置かれている。薬物療法では基礎療法として、大量のビタミンC、活性型ビタミンB12の投与を実施。また、抑うつ気分や不安感、焦りなど精神症状が見られる場合は、少量の抗うつ薬が処方される。抗うつ薬のなかで3環系抗うつ薬は、その副作用から新規型抗うつ薬(SSRI、SNRI、 NASA)を使用。漢方製剤もしばしば使われ、漢方医学的診断(証)に基づいて、患者ごとに処方は異なる。サプリメントでは還元型コエンザイムQ10の2~3倍量の使用やカルニチン製剤が使われるが、有効性に関する客観的な成績はない。
非薬物療法では認知行動療法(CBT)が有効との報告があるが、わが国では多くの精神科医がCFSを診ないこと、臨床心理士が不足や保険診療上のCBTの評価が十分でないことなどから実施体制は乏しい。その他に鍼灸治療、和温療法、絶食療法などの報告があるが、有効性について不明な部分が多い。
疾患に対する受容が基本であり、患者は強く病んでいることを家族、周囲は理解すべきであり、疲労感・倦怠感に見合ったライフスタイルを指導すべきである。

医師プロフィール

1968年3月 名古屋市立大学 卒業
1972年 名古屋市立大学大学院修了
1972年 常滑市民病院内科
1974年 名古屋市立大学第二内科助手
1979年5月 名古屋市立大学第二内科講師
1981年1月 名古屋市立大学病院輸血部助教授
1998年7月 豊川市民病院副院長
2002年10月 山梨県立看護短期大学部教授
2006年2月 藤田保健衛生大学七栗サナトリウム内科教授
2012年4月 桑名市総合医療センター内科・リウマチ科顧問