山田悟 医師 (やまださとる)

北里大学 北里研究所病院

東京都港区白金5-9-1

  • 糖尿病センター 内分泌・代謝内科
  • センター長 部長

内科 内分泌科・糖尿病

専門

内科一般、糖尿病

山田悟

山田悟医師は、一般社団法人「食・楽・健康協会」を設立し、代表理事を務める。食楽健康協会のテーマ「おいしく、楽しく食べて、健康に」で、無理の無いゆるい糖質制限「ロカボ」を薦めている。日本における糖質制限のトップドクターである。
山田医師は、糖尿病の専門医、総合内科医として、多くの生活習慣病患者の生活習慣指導を行う中、2009年『ジャーナル・オブ・クリニカル・リピドロジー』医学雑誌に掲載された「食事の脂質比率が高いほど、逆に血中中性脂肪が下がりやすくなる」という論文と出会い刺激を受ける。『糖質制限の真実』(幻冬舎、2015年)は12万部を超えるベストセラーとなっている。

診療内容

かつて成人病と呼ばれた「生活習慣病」は、食事・運動・喫煙・飲酒など生活習慣が関与する病気だ。現代社会の中で生活習慣病の増加は非常に大きな問題となっている。生活習慣病には様々な病気があるが、その中でも、肥満・血糖異常・血圧異常・脂質異常で構成されるメタボリックシンドロームは日本人の40歳以上の男性の2人に1人は該当するか予備軍とされる。血糖異常者に限定しても、日本人の6人に1人の割合で、2012年国民健康・栄養調査によると糖尿病と糖尿病の予備軍は全国で約2050万人と推定される。今や、日本だけの問題にとどまらず世界中で同じような状況にあり国際的な課題にもなっている。

 糖尿病のほとんどを占めるのは2型糖尿病で、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの働きが不足し、血糖値が異常に高くなってしまう病気。
なぜ糖尿病になるのか? 親族(父母)に糖尿病がいれば、遺伝要素もありえる。生まれたときから糖尿病になりやすい体質である。また、高糖質の食事を取っている人、運動量が少ない人なども発症しやすい。年齢とともに増えるので加齢による要素もあると言えよう。

 症状は、だるさや喉の渇き、視力の低下、むくみなどだが、症状が出るときは、すさまじい高血糖を呈している場合か、既に発症から10年近くが経過して合併症を発症している場合が多く、さらに合併症を完全に治すことは難しいとされる。早期発見、早期治療が望ましい。健康診断で血糖値や中性脂肪値やコレステロール値が高いという結果がでたら、まずは医師に相談すること。また、最近は、薬局の中に「検体測定室」を設け血糖値などを測定できるところも増えてきた。医師は不在のため診断は難しいが、自分の血糖値やヘモグロビンA1c値(HbA1c)を知ることができる(日本糖尿病学会のガイドライン(2014-2015)によると6.5%以上を糖尿病型としている)。まずは血糖値を知ることから始めたい。

「健康診断で初めて異常値が出た人が、治療をせずにそのまま生活を続けていると、早い人は約3年、一般には5年ぐらいで合併症が出始めます。合併症がわかったら、その後は病気が一気に進みます。一度合併症が出てしまうと、治療をしても合併症の進行が止まらない場合もあります。糖尿病の疑いがあると分かった時点で、すぐに治療を開始すれば、まだ間に合います」と山田悟医師は言う。
 山田悟医師は、カロリー制限なしの「ゆるい糖質制限」を推奨している。ゆるい糖質制限「ロカボ(Low-Carbohydrate)」は、主食を減らして油やおかずをしっかり食べるという食事療法だ。具体的には、糖質を1食あたり20~40gにして1日3回、と別に1日10gまでスイーツを食べてもOK、1日の糖質摂取量をトータルで70~130gにするのが「ロカボ」の定義である(詳しくは著書:「糖質制限の真実」を参照)。

 糖尿病の治療には、食事療法と同様に運動療法も大切だ。筋肉を使うことで、血糖値を下げ肥満解消にもつながり、心肺機能が強くなる。高血圧や脂質異常症も改善し、ストレス解消の効果もあるので食事療法と是非セットで取り入れるべきである。忙しくてなかなか運動まではと言う人には、日常生活に組み込むことで工夫しよう。例えば、一駅前から降りて歩く、エレベーターではなく階段を使う、電車の中でつま先たちをするなど、工夫をするだけでも違うと言う。
「できるだけきびきびと動くことで、運動効率が高まります。ただ、心臓に糖尿病の合併症がある人は、運動の量や種類について制限がある場合もありますので医師に相談してください」(山田悟医師)
 糖尿病と診断を受けた、糖尿病の予備群と言われたら、すぐに治療を始めることだ。糖尿病の治療は、正しい知識を元に日々生活の中で継続することが肝心である。

医師プロフィール

1970年東京都生まれ
1994年 慶應義塾大学医学部 卒業
1996年 東京都済生会中央病院
1997年 東京都国保南多摩病院
2002年 北里研究所病院

「糖尿病」を専門とする医師