手術を受ける際の注意 家庭の医学

 1.手術は母体保護法指定の医療機関で受けます。
 2.手術を受ける前に、妊娠週数や子宮のかたちや向き、胎児の大きさ、薬に対するアレルギー、既往症、病気の有無や服用している薬などについてよく医師の診察を受けましょう。
 3.手術の同意書に、原則的にパートナーの捺印が必要です。
 4.当日は食事や薬の服用などについて、医師の指示に従いましょう。また、手術後は迎えか付き添ってくれる人がいるほうがよいでしょう。
 5.からだをしめつけるような服装は避けましょう。
 6.12週未満の手術後は、できれば翌日は安静にします。一般的には、処方された抗菌薬(場合により子宮収縮薬も)を2~3日服用します。シャワーは翌日から可能ですが、入浴、アルコールは、1週間は控えるようにしてください。2~5日後に手術を受けた医療機関で診察を受けましょう。もし、それまでに出血がひどい場合や強い痛みなどの異常を感じた場合は医師に相談してください。
 7.12週1日以後の手術では、死産証明書の提出により、出産手当金の請求のみならず、常勤で働いている女性は勤務場所に産休を申請することも可能です。妊娠20週前後になると、人工妊娠中絶手術のからだへの負担は大きいと考えて、2~3週間は十分休息するほうがよいでしょう。シャワーは翌日から可能ですが、入浴は2~3週間控えます。乳汁分泌ホルモンを抑える薬を服用することが多いです。セックスも2~3週間は避けてください。
 8.以後避妊をしっかりおこないましょう。中絶手術直後から避妊法を実施することは可能です。なお、手術後1~2カ月で月経がきますが、ない場合は医師に相談してください。

(執筆・監修:恩賜財団 母子愛育会総合母子保健センター 愛育病院 名誉院長 安達 知子
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