胎盤機能不全〔たいばんきのうふぜん〕 家庭の医学

 胎盤は胎児の成長や生命の維持のために必要な臓器ですので、胎盤のはたらきがわるくなると胎児の状態も悪化し危険な状態となってしまいます。妊娠高血圧症候群糖尿病、出産予定日を2週以上過ぎた場合などでは、胎盤機能不全の可能性があるのです。いろいろな検査によって胎盤機能の状態を確認し、機能不全の徴候がみられたら、分娩(ぶんべん)誘発や帝王切開により胎児を娩出させます。
 超音波診断装置は胎児の検査に欠かせないものですが、胎児の成長をみるばかりでなく、胎児の動き、羊水(ようすい)量、血流などをはかることによって胎児の成熟度や現在よい状態にあるかどうかも知ることができます。
 そのほかにノンストレステスト(NST:胎児の心拍数を調べる)も胎児胎盤機能検査としてよく知られています。

(執筆・監修:恩賜財団 母子愛育会総合母子保健センター 愛育病院 産婦人科 部長 竹田 善治)
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