内視鏡検査

 消化管や気道、腹腔、膀胱(ぼうこう)、子宮、関節、血管など、生体に存在する閉鎖空間(腔)の内部に、体外から細長い内視鏡(ファイバースコープ)を挿入し、それらの内側を直接観察することで、そこに存在するがんや潰瘍など病変の診断をおこないます。
 専用の細い鉗子(かんし)が挿入できる鉗子孔が設けてある内視鏡では、これを利用してさまざまな追加の処置をおこなうことができます。もっとも一般的なのは、生検鉗子を挿入して、病変部の組織の一部を採取し、病理検査をおこなうこと(生検)です。吸引用のチューブを挿入すれば、内腔にたまった液体を吸引する、あるいはその内部に散らばる細胞を収集するなども可能です。また薬剤散布用のチューブで、膵管や胆管など細い管腔臓器の造影検査をおこなったり、各種の薬剤を散布したりすることもできます。
 近年では内視鏡治療用にさまざまな器具が開発されて、さまざまな治療が可能となっています。上部(咽頭、食道、胃、十二指腸)あるいは下部(大腸)の消化管内視鏡では、ポリープや小さながんなどを、検査をしながら摘除することも一般におこなわれています。また各種の外科手術では、内視鏡下におこなわれる手術が、術式の第一選択となることも多くなっています。

【参照】医療機器による検査:内視鏡検査

(執筆・監修:自治医科大学 教授〔臨床検査医学〕 紺野 啓)

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