食事やトイレに注意=家庭でできる感染症対策
◇危険な脱水症
「感染性胃腸炎が重症化することと、脱水症とはほぼイコールと考えてほしい」
ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎にかかったとき、最も注意すべきことは脱水状態にならないことだ、と十河氏は強調した。軽い脱水症状は、めまいがしたり、頭がフラフラしたり、体がだるかったりする。症状が重ければ、けいれんを起こしたり、意識を失ったりすることもある。
嘔吐や下痢で失う体内の水分(体液)には、ナトリウムやカリウムといった電解質が含まれている。水だけでは、電解質を補えない。「塩分(ナトリウム)も同時に吸収しないと、体内の塩分が薄まってしまう」。便の中には大量の塩分が含まれ、胃液や唾液にも塩分が含まれている。嘔吐や下痢の症状時には、脱水に注意することが必要だ。
◇経口補水液が有効
十河氏は「塩分が多く、スポーツドリンクと比べ糖分が少ない」という理由などから、経口補水液を飲むことを勧める。小さな子どもに飲ませるときは「ゆっくり、少しずつが基本」と十河氏は話す。親が「一緒に飲もうね」「ゆっくり飲んでいいんだからね」などと、声を掛けてあげたい。3~4歳の子どもの場合、1回に飲む量は5ミリリットル程度が目安で、ボトルのキャップに注いで飲ませてもよいだろう。(編集委員・鈴木豊)
(2016/12/24 15:37)