足の悩み、一挙解決
コロナの自粛で足トラブル
~「ながら」筋トレ、ストレッチでリカバリー~(足のクリニック表参道院長 桑原靖) 【PART2】第1回
「ながら筋トレ」の具体例。つま先立ちをすることで、ふくらはぎの筋肉が鍛えられる
◇お風呂上りにストレッチ
ストレッチで最低限伸ばしておきたいのは、アキレス腱と股関節です。入浴後、寝る前のリラックスした状態のときに行うのが理想です。入浴によって体が温めると、筋肉が緩みやすくなるだけでなく、自律神経の副交感神経が優位になりますから、無理なくストレッチができます。
アキレス腱をストレッチする方法は、立った状態で片方の足を後ろに引いて、前のひざをまげて重心をかけるのが一般的です。アキレス腱には腓腹(ひふく)筋とヒラメ筋がありますが、ヒラメ筋だけを伸ばすなら、正座の状態から片膝を立て、立てた側のかかとを床につけたまま体重をのせて膝を前に押すことでも、ストレッチが行えます。このとき、膝がしらの位置と片方のつま先の位置を一直線上にするのがポイントです。
【足の悩み、一挙解決】第15回 「歩くと痛い」は要注意
股関節前面のストレッチは、足を前後に開き、前側は立ひざ、後ろ側はひざから下を床につけて伸ばします。上体を垂直に立てた姿勢で後ろ脚の股関節前面をじんわりと伸ばします。
股関節全面のストレッチ
長時間座りっぱなしの生活だと、どうしても股関節前側が縮んでしまいます。そうなると姿勢が悪くなって、足に負担がかかるだけでなく、腰痛、肩こり、頭痛の原因にもなってしまいます。リモートワークでは、会社で仕事をするときと比べて、立って歩く機会は極端に減ります。足を守るためには、日々の生活に筋トレとストレッチを取り入れていくことが大切です。
◇頑張り過ぎない
2番目に多いのが、普段運動していなかったのに、自粛中に急にウォーキングやランニングを始めたら足が痛くなったというケースです。「痛くなるのは運動不足だから」とさらに頑張った結果、太ももの外側にある腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)に炎症を起こしていたケースもありました。炎症が起きているということは、休まなければいけないサインですが、ご本人は「もっとやればよくなる」と思って正反対のことをしてしまう。元来、真面目な人がよく陥りがちな間違いです。
それまで運動していなかったのであれば、急に長距離を歩いたり走ったりすると、簡単に閾値を超えてしまいます。まずは家の周囲を散歩するくらいから始めて、徐々に距離を延ばしていく。走るのもいきなり5キロ、10キロを目指さずに、最初は2キロくらいからスタートして、少しずつ長くしていくことが大切です。
◇裸足で運動はNG
3番目に多いのが、最近流行のオンラインレッスンで足が痛くなるケース。コロナの自粛をきっかけに、ヨガやエアロビクス、ダンスのレッスンをZOOMなどのアプリを使って行う人が増えています。ヨガはもともと素足で行うため特に問題はありませんが、エアロビクスや一部のダンスは、本来はシューズを履いて行うものですから、裸足で踊ったのでは足にかかる負担が大きすぎます。
特にジャンプの着地は、かなりの衝撃なので、裸足で行うのは厳禁です。裸足でいるのは自然でよいというのは、もともと足が丈夫なごく一部の人に言えることで、多くの人にとって足を守ってくれる靴がない状態で足に運動負荷をかけるのは、とても危険なのです。
マンションなど集合住宅の場合、室内で運動靴を履くと、音が気になるということも多いでしょう。その場合、音の出にくい室内履きを履くか、床にヨガマットなどを敷いて、その上で行うなど、足への負担を軽減する方法をとることが大切です。(了)
全国から患者が殺到するクリニック
「足のクリニック表参道」院長。2004年埼玉医科大学医学部卒業。同大学病院形成外科で外来医長、フットケアの担当医として勤務。13年東京・表参道に日本では数少ない足専門クリニックを開業。専門医、専門メディカルスタッフによるチームで、足の総合的な治療とケアを行う。
日本下肢救済・足病学会評議員。著書に「元気足の作り方 ― 美と健康のためのセルフケア」(NHK出版)、「外反母趾もラクになる!『足アーチ』のつくり方」(セブン&アイ出版)など。
- 1
- 2
(2020/09/30 07:00)