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健康寿命の延伸を視野に
~口の中だけでなく全身を診られる教育を-日本歯科大学生命歯学部~


インタビューに答える沼部学部長

インタビューに答える沼部学部長

 ◇歯科の進歩で健康寿命はもっと延びる

 2018年4月に一般社団法人・日本歯科専門医機構が発足し、専門医療を提供できる歯科医師が注目される時代になっている。

 「何か自分の専門の武器を持ってほしい。歯周病治療でも口腔リハビリテーションの技術でもいい、これなら自分は負けないという技術があると、それを通じて世界が広がる。オールラウンドにすごい人はなかなかいませんが、一つの分野にたけている人はたくさんいるはずなので、それをさらに伸ばしていただきたい」

 今後、沼部学部長が注目しているのは、口の中での再生医療のさらなる発展だ。歯を失わないようにする予防技術だけでなく、病気で失われた組織を元に戻す技術がより身近なものになれば、よくかみ、飲み込む機能も高まり、健康寿命は今よりもっと延びるという。

 「また喫煙が歯周病を悪化させたり、口の中のがんの原因にもなったりするのですから、歯科医師が積極的に禁煙指導を行える仕組みを作っても良いと思います。国民皆歯科健診の導入をきっかけに、さらに国民の健康への歯科医学の重要性が認知されていくことを希望します」(ジャーナリスト/中山あゆみ)

沼部 幸博(ぬまべ・ゆきひろ) 1983年3月日本歯科大学歯学部卒業。87年3月日本歯科大学大学院修了(歯学博士)。89年9月カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)歯学部 客員講師(〜1991年)、93年4月日本歯科大学歯学部歯周病学教室助教授、2005年6月から同歯周病学講座教授、2018年4月から現職。

【日本歯科大学生命歯学部 沿革】
1907年 中原市五郎氏が私立共立歯科医学校を千代田区大手町に創立
  09年 私立日本歯科医学専門学校となる
  47年 日本歯科大学(旧制)に昇格
  51年 学校法人日本歯科大学となる
  52年 新制日本歯科大学となる
  60年 大学院歯学研究科(博士課程)を設置
  87年 JR飯田橋西口駅前に歯学部附属病院を移転・開院
2005年 附属歯科専門学校を東京短期大学に昇格  
  06年 歯学部を生命歯学部に改称 
  12年 東京都小金井市に日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニックを開院

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