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喫煙とがん 大塚俊昭准教授

 ◇禁煙は店の経営に影響なし

 大塚 最近、興味深い論文を見つけました。ロンドン大などの研究者が2014年に「Addiction」という学術誌に発表した、「レストランやバーを禁煙にすることの経済的影響についての解析」というタイトルの論文(英文の要約版はこちら)です。

 この論文によると、店を屋内禁煙にしても売り上げは落ちない、という結果が出ています。売り上げ減少は禁煙によるものではなく、不景気など他の要素が影響しているという分析です。

パリの街角で(撮影 海原純子)
 ここで重要なことは、法律でレストランやバーなどの飲食店での喫煙を全面的に禁止することが条件なのです。仮に日本で今後、小規模店舗であれば屋内喫煙を認めると、たばこを吸える店に客が集中して不公平になります。そして、結果的に受動喫煙も防止できなくなる可能性があります。

 海原 経済的な悪影響を気にした結果、経済的にも、健康面でもメリットのない規制になる恐れがありますね。

 ◇男性の肺がん、「喫煙」が68%

 海原 喫煙と肺がんのリスクについて教えてください。

 大塚 資料2のグラフが示すように、非喫煙の人に比べて現在喫煙している人の場合の肺がん発症リスクは4.5倍もあります。男性の場合、肺がんの68%は喫煙が原因とされています。

 過去に喫煙経験がある人についてはリスクが2.2倍になっています。調査発表時に比べて喫煙率は低下しているため、現在のデータが若干異なるかもしれませんが、肺がんの最大の原因が喫煙であることに変わりはありません。

 また、肺がんを組織別に検証すると、扁平(へんぺい)上皮がん、小細胞がんに関しては喫煙によってリスクが非常に上昇し、男性では12.7倍、女性では17.5倍にもなります。

→「ハヤミミ」では「たばこのイメージ」を掲載しています。

資料2

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