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喫煙とがん 大塚俊昭准教授

 日本医科大衛生学公衆衛生学教室の大塚俊昭准教授は疫学の専門家です。大塚准教授は2015年11月、第56回日本肺がん学会学術集会のメディカルスタッフ・シンポジウムで、肺がんの原因とされる喫煙リスクについて極めて明快な指摘をされました。詳しくご紹介しましょう。

大塚俊昭・日本医科大公衆衛生学教室准教授
 海原 たばこに関しては、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを前に、屋内全面禁煙の徹底を期待しているのですが、飲食店などの反対が根強いですね。ある政治家が「禁煙している人が増えているのに肺がんが増えている。だから、たばことがんは関係ない」などと発言したと報じられ、物議を醸しました。大塚先生は屋内禁煙をめぐる法規制の議論についてどう感じますか。

 大塚 医療とは別の経済的な側面が大きく関わっていると感じました。たばこと肺がんは関係ないという意見は政治家や一般の方だけでなく、そういうことを書いている医師もいるのを見て驚いたことがあります。でも、それは統計学的な知識が不足しているために生じる誤解です。

 喫煙者は次第に高齢になり肺がんにかかる割合が増えて、肺がんによる死亡率が高くなります。

 ですから、単純な死亡率(粗死亡率)を見ると肺がんの死亡率は高く見えますが、年齢などの条件を調整して喫煙率と肺がん死亡率との関係を解析する(この結果算出されるのが年齢調整死亡率)と、喫煙率の減少に少し遅れながら肺がんの死亡率が減少してくるのが分かります。〔資料1〕

→「ハヤミミ」では「たばこのイメージ」を掲載しています。

資料1
 

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