治療・予防

RSウイルス感染症に注意=呼吸困難、ぜんそく悪化も

 冬場に注意すべき感染症の一つがRSウイルス感染症。RSは「respiratory syncytial(呼吸器系合胞体の)」の頭文字。インフルエンザと同じように強い感染力を持ち、1歳までに約50%、2歳までにほぼ100%が最初の感染を起こす。一度かかっても免疫ができにくく、終生感染を繰り返す特徴がある。

 ◇ぜいぜいという呼吸

 RSウイルスの潜伏期間は5日前後で、初期には鼻水、微熱など風邪に似た症状が表れる。生後6カ月までの赤ちゃんが初めてRSウイルス感染症になると、気管支炎や肺炎などを起こしやすい。最初は風邪のようでも、そのうち高熱やせきが出る。ぜいぜいという呼吸音が聞こえたり、息苦しそうだったりする場合は、RSウイルス感染症の可能性が高い。

 国立感染症研究所・感染症疫学センター(東京都武蔵村山市)第六室の木村博一室長は「この時期は、赤ちゃんに鼻水、微熱が見られる程度でも早めに小児科を受診してほしい」と勧める。

 慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)やぜんそくなど肺の慢性病がある70歳以上の人がRSウイルスに感染すると、肺の病気が悪化する恐れがある。一方、2歳以上の健康な子どもや成人は、感染してもそれに気付かず風邪のまま終息することが多い。しかし、感染源になる恐れがあるので、赤ちゃんや肺の持病のある高齢者がいる家庭では注意が必要だ。

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