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インフル厳戒、手洗い徹底を=流行のピーク控え、ワクチン出遅れ懸念

 ◇面会は控えめに

 家族の誰かがインフルエンザに感染した場合、どう対応すればいいのだろうか。自宅の個室に隔離し食事を分け、使用するタオルを別にするなどの方法は有効とされる。ただ渡辺教授は「部屋を分けたとしても、家族が感染する場合は多い。インフルエンザの感染力ははしかより弱いものの、感染者が1人出ると6~10人にうつるというデータもある。やはり家族に感染者が出ないよう予防するのが重要だ」と強調する。

 
東京医科大病院感染制御部の早川司子看護師長
 早川さんは「1人が感染したら家族全員にうつると考えた方がよい。学校や幼稚園、保育園で流行していないかどうか、情報を取ることも必要だと思う」と話す。小児・未成年者がインフルエンザ治療薬を服用した後、自宅で暴れたりベランダから転落したりするなど異常行動を取る事例が報告されていることも指摘。「家族は子どもが一人にならないように配慮してほしい」と述べた。

 病院や高齢者施設にいる家族に会いに行くときも注意すべきだ。渡辺教授は「面会者がウイルスを持ち込むのはよくあること。インフルエンザ流行期には、マスクや手洗いをして万全な態勢で面会に行く。頻繁な面会は控え、体調が悪いときには予定を取りやめることも必要だ」と語る。

 感染者は熱が下がると比較的元気になるが、解熱後も数日間は周囲にうつす危険がある。すぐに出社、登校するのは避けよう。また自身の体力もかなり弱っており、十分な栄養補給と休養が必要だ。渡辺教授は「同じ型のインフルエンザにかかることはまずない。しかし治ったと思っても体力がないので、溶連菌や風邪などにかかりやすくなっている」と話す。

 最後に渡辺教授は「今シーズンはワクチンがスムーズに流通していないが、遅くてなっても予防接種は受けた方がいい。抗体ができていない期間は特に、マスクや手洗いなどの予防策を怠らないようにしてほしい」と呼び掛けた。(了)


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